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座りすぎで寿命が縮む!?デスクワークの弊害を最小限にするコツ。

さあ、はじまりました!「リケジョのコンディショニングコラム 005」
このコラムは東工大出身のリケジョ、製薬会社勤務を経て現在はヨガインストラクター、そして0歳児の育児に奮闘中であるEriが、科学の視点も踏まえて、ベストパフォーマンスを発揮するためのヒントをお伝えしていきます。

今月のテーマは、「座りすぎの弊害」

仕事柄、日中はほとんど座ったままという人も多いでしょう。そんな方に向けて、座っている姿勢が健康に及ぼす影響と対策についてご紹介します!

座っている時間が長いほど死亡率が上昇

6万人を超える日本人を対象に平均7.7年間追跡した研究によって、座っている時間が2時間増えるごとに、死亡率が15%増加する1)ことが示されました。

研究の結果を詳しくみてみると、下記のグラフのようになります。

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座っている時間が5時間未満の人の死亡率を1とすると、9時間以上座っている人の死亡率はなんと1.54倍。

座っていると何故、死亡率が上昇するのでしょうか。主な理由として「血液の巡りが悪くなる」ことと「代謝が悪くなる」ことが考えられています。

確かに、長時間座った日は、足が浮腫んだり、ほとんど動いていないのに、やけに疲れたりしますよね。足は第2の心臓とも呼ばれるほど、血液循環において重要な働きをしています。

しかし、座っていると足の筋肉をほぼ使わないため、血液の流れが悪くなり、身体に悪影響を及ぼすのです。

対策として、運動を行うだけでは不十分

ここまで読んで、「長く座っているけど、運動の習慣があるから大丈夫」とお思いの方はいませんか?

もちろん、運動をする人の方が、死亡率や生活習慣病の罹患率は減ることが知られています。

しかし残念ながら、「座る時間が及ぼす悪影響を相殺するほどではない」ということが示されたのです。1)

このグラフは、座っている時間が2時間増えるごとに増加する死亡率を1日の活動量ごとに比較したものです。

スクリーンショット 2021-09-04 20.19.58

運動量が増えれば、死亡率が減るかと思いきや、あまり差が出ていないことがわかります。つまり、運動量を増やしても、座ったままによる悪影響を払拭することはできない可能性があるのです。

とはいっても、「運動は意味がない」というわけではありません。運動の効果は多くの研究で示されていますし、周知の事実です。ポイントは、運動の効果より、座っている時間の悪影響が上回ってしまう、ということ。

運動の効果を最大限に享受するためにも、座っている時間を短くすることが重要です。

健康の鍵は、高さを変えられる机?

しかし、コロナ禍で在宅勤務が増えたため、座っている時間が長くなりがち...。

実際、在宅勤務をしている人は通勤している人に比べ、仕事中に座っている時間が1時間以上長く、運動量は30分程度短くなっていることが示されています。2)

そこで、お世話になりたいアイテムが「スタンディングデスク」です。高さを変えられる机や、卓上におくタイプのコンパクトなものなど、様々なものが市販されています。

在宅勤務の場合は、キッチンカウンターで代用できるお宅もあるでしょう。私自身もよく、キッチンカウンターにパソコンをおいて、立ったまま仕事をしています。とにかく、座りっぱなしにならないよう、工夫することが重要です。

座って作業をする場合は、こまめに動く

理想は、座っている時間を減らすことですが、無理な場合もありますよね。そんな時は、30分に1回は立ち上がることをオススメします。それも無理な場合は、30分に1回、足踏みを行いましょう。

職場勤務の場合、朝夕の通勤に加え、雑用や来客対応などのために、意外と「ちょこまか動く」機会があります。このような機会がほとんどない在宅勤務の場合は、意識して「ちょこまか動く」ことが、健康を保つ秘訣。

こまめに動くことで、頭もスッキリして仕事の生産性も向上するかもしれません。すぐに始められる対策を今日から、取り入れてみませんか?

参考

1)Koyama T., et al, J Am Heart Assoc, 2021 Jul 6;10(13):e018293.

2)Fukusima N, et al, J Occup Health, 2021 Jan;63(1):e12212.

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ととのえサポーター(インストラクター・ヨガリサーチャー)
尾賀 絵里

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