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海のむこう

今日はぼんやり、この海を眺めていた。

聞こえるのは、ただひたすらに虫の声。蝉、こおろぎ、あとはわからないけどいろいろ。大きな黒アゲハ蝶やギンヤンマがふわふわ飛んでいて、アシナガバチがまったりしていた。

藪の向こうの海は静かで、波の山が小さく連続していて、あそこの上はゆらゆらと気持ちいだろうなぁ。遠くに見えるタンカー船はのったり動いているけど、実はけっこうな速さで進んでいるんだよね。


なんて、目に見えたものを頭の中で呟きながら、スマホやパソコンを無意味に触ってみる。だって私、ひとりで来ちゃった。周りはカップルやお友達同士で、綺麗だねって写真撮ったり、おしゃべりしたり。でも、ひとりぼっちはどうにも手持無沙汰。とはいえ、用事を済ませてすぐに帰るのはもったいなくて、無意味に電子機器に頼ってしまう。


そうやって何かを気にしながら過ごしていても、やっぱり癒される。

自然の音や色や風に包まれるのはいい。身をゆだねて、軽くなった気持ちになる。これがリフレッシュというもの。


この海を一日眺めていたらいい仕事ができそう!とか、いいアイディアが生まれそう!とか思うんだけど、

実際のところは、「癒された」ということで終わってしまう。特に何も生まれないのです、はい。


仕事の一環で訪れたわけだから欲張りな話か。(なんだよ、仕事かよ)

お休みの時にくるなら、お気に入りの本を一冊くらい持って出かけよう。


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