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蚤の市がたのしい話

去る11月17日、東京蚤の市へ行ってきた。
(※ 本記事の写真はiPhone撮影です)

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都内では実はいろんな蚤の市が開かれている、ということを、知らない人は案外多い、気がする。

「東京蚤の市」は、最近色々話題の“小物系“イベント(いまでっち上げたワードです)の数々を始めた手紙舎という会社が主催していて、ネット上での周知度が圧倒的に高いので、20代くらいのカップルからお子さんを連れた家族連れまでが主な客層に見える。
売り出し方からしても「本場フランスの蚤の市の空気を持ってきました」って感じである。なんかかっこいいフライヤーがあって、シックな背景にシャビーな置物や家具が配置されていたりする。

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しかし大多数の「蚤の市」または「骨董市」「アンティークフェア」はそうではない。
そうしたイベントの多くは、社寺の境内で早朝からやっていたり、都心のかたすみのスポットでギュっとやっていたりする。
古銭やよく分からない金属製の何か(※)や、あと着物や日本軍モノもあったりするので外国人観光客もよく見かける。

私はどっちも好きである。

ちなみに言うと「本場フランスの蚤の市」も好きだ。再開発前のクリニャンクールでは丸2日は遊べた。(今はどうなっているのだろうか……)

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で、まあ、どちらの方向性でもいいのだが、蚤の市は面白い。
30そこそこの私が「週末は蚤の市に行くのが趣味です」って言うとヘンな顔をされることが多いので、発散すべくnoteを書いてみる。

よく分からない金属製の何か

いきなり変なワード(↑※)を書いてしまったけどもう順番とかいいのでここから始める。
蚤の市には、こういうものが、ある。

普段あなたがお店に行って、まあ時にはよく分からないオブジェに出会うこともあるだろうが、「これなんですか?」ってお店の人に訊いて「さあ、なんでしょうね?」って返されること、あります?
蚤の市では、ある。

今はもう、なんのためだったのか分からなくなってしまった道具。
なにかの一部だったが、破損して機能を失い、何者でもなくなってしまったもの。
あとは、お店の人には分かってるんだけど、今はもう行われない行為のための道具なので、説明してもらっても全然理解できないもの。

そういうものが普通に売られている。

それは未知の塊なのだ。蚤の市では、道具が圧倒的に面白い。芸術は永遠に芸術である。古びて、多少傷んでいても、描かれた日本画の女性の美しさそのものが損なわれるわけではない。
でも道具は、かつて何かのために作られ、そして失われたものだ。たとえ原形をとどめているものでも、もうその役割を果たすのは難しいだろう。骨董品屋がそれを見出すまでは単に打ち捨てられていたりとかしたのかもしれない。道具の亡霊だ。それはかつて生きた人間たちの影そのものだ。私たちが絶対に見たこともないものが、いくらでもゴロゴロ転がっている。

ちなみに、今回の東京蚤の市で私が最初に買ったのは「編み上げの靴とか上着とかが昔は多かったんだけど、あれって結構めんどうなので、そのときに紐をひっかけて穴に通していくための持ち歩き用折り畳みフック」です。
実にいい。

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写真下は過去の購入品。ボタンはまあいいとして、フレームにしては華奢すぎる輪っかと、医者が手術中にメスを置くアレである。
面白くないですか?

キュレーションという言葉は一応いっぺん使っておかざるをえない

食器とか古銭とかの価値の話とか、
いわゆる民藝の「用の美」であるとか、
骨董品の買い付け、値付け、そして販売は、一種のキュレーションであり、価値の創造なのである、
みたいなことは後々学びたくなったら学べばいいと思います。

でもまずは単純に、蚤の市は宝探しだし訳分からなくて面白い
そのことが伝わっていただければいいと思う。

骨董市リスト

このあたりをご覧の上、個々の開催情報は自身でご確認ください。

骨董市はだいたい朝早くからやっていることが多いので、モーニング→骨董市とか、骨董市を済ませてから遊びの本番とかのはしごも可能です! 東京蚤の市みたいな巨大なものは少ないので、寺社系はそのくらいでさくっと回れる。是非一度宝探しに出かけてみてほしい。

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