「音楽」になる
稽古場で頻りに音楽という言葉をつかってしまっているが、僕があの場で言う「音楽」は日常的な意味での音楽と少し違うのかもしれない? だから伝わりきっていないのかもしれない? と反省をしました。今日は、演出ノートのかわりに、「音楽」があの場で何を指しているのかを書いていきたい。
例えば、僕がキーボードを叩く、その音が心地良いと言う人がいました。それがどうして心地良く感じるのでしょうか。キーを押したときの一つひとつの音が、微妙な力のかかり具合の差異が、速度が、旋律を生んで「音楽」になる。その背後で時計の秒針の進む音がする。窓の外から鳥の囀るのが聞こえる。別々の音が重なって「音楽」になる。僕が稽古場でつかっている「音楽」という言葉は、〈楽器で奏でられる音楽〉よりももっと広義で、もっと根源的なものを言っているような気がする。
〈楽器で奏でられる音楽〉
人間がどうして楽器を発明したのだろうということに考えを巡らせてみると面白い。人間は楽器を発明してから音楽を認識したのではないと思います。人間が先に音楽というものを認識していなければ楽器は誕生しなかったでしょう。楽器とは、広義で根源的な音楽をどうにか再現しようとした試みの顕れであるかもしれません。〈楽器で奏でられる音楽〉は広義で根源的な音楽をどうにか抽象化し再構築した音の連なりのことを言う。
宮澤大和
『インスタント・レアリスム』けいこば はこちらです
稽古場の様子を大木菜摘さんに書いていただきました。
https://note.com/pepepeclub/n/ne02063070bfa
【公演情報】
2021年12月 画廊の「ぺ」公演『インスタント・レアリスム』
期間:2021/12/17~12/19
場所:新宿眼科画廊 スペース地下
チケット:(チケット販売 11/20より)
1. 立ち会って観(オフライン観劇)
2. のぞいて観(オンライン観劇)
3.セット券(立ち会って観 のぞいて観)
詳細:https://pepepepepe.amebaownd.com/posts/22307924
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