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アイドル戦国時代1986年(後半)・Fin

同時代性を確認しようと、1986年(昭和61年)の主要な女性アイドル曲を発売日順に並べただけのプレイリストを作ってしまい、より詳しい情報を記録したくなったので作った、まったく個人的なメモ。

6月10日発売

『Dance Beatは夜明けまで』 荻野目洋子

作詞:森浩美/作曲:NOBODY/編曲:西平彰

後にSMAP楽曲で名を馳せる作詞家・森浩美の初期のヒット作。

7月2日発売

『再会のラビリンス』 河合その子

作詞:秋元康/作曲・編曲:後藤次利

個人的には何の思い入れもないのだが、後藤次利好きなもので。

7月10日発売

『夜明けのMEW』 小泉今日子

作詞:秋元康/作曲:筒美京平/編曲:武部聡志

名曲。

7月15日発売

『JINGI・愛してもらいます』 中山美穂

作詞:松本隆/作曲:小室哲哉/編曲:大村雅朗

小室時代。

7月23日発売

『HELP』 本田美奈子

作詞:秋元康 / 作曲:筒美京平 / 編曲:大谷和夫

実は公共広告機構いじめ防止キャンペーンCM曲。

8月21日発売

『ツイてるねノッてるね』 中山美穂

作詞:松本隆/作曲:筒美京平/編曲:大村雅朗、船山基紀

バブル景気直前の浮かれた日本の空気感を捉えた傑作だと思う。

8月21日発売

『渚の『・・・・・』』 うしろゆびさされ組

作詞:秋元康/作曲・編曲:後藤次利

後藤次利好きなもので、つい。

9月3日発売

『Say Yes!』 菊池桃子

作詞:売野雅勇/作曲・編曲:林哲司

今思えばこの頃がピーク。

『the Cross -愛の十字架-』 本田美奈子

作詞・作曲:Gary Moore、日本語訳詞:秋元康/編曲:Guy Fletcher

泣きのギターは当然ゲイリー・ムーア

9月25日発売

『Fin』 中森明菜

作詞:松本一起/作曲:佐藤健/編曲:佐藤準

松本一起と佐藤健は「夏の日の1993」のコンビだな。

10月21日発売 『ヴィーナス』長山洋子
(作詞・作曲:Robbie Leeuwen/ 訳詞:篠原仁志/編曲:鷺巣詩郎)
入れたかったけど音源がなかった

10月29日発売

『六本木純情派』 荻野目洋子

作詞:売野雅勇/作曲:吉実明宏/編曲:新川博

「六本木心中」に寄せてきてた荻野目ちゃん、とうとう「六本木」って言っちゃった。

11月19日発売

『木枯しに抱かれて』 小泉今日子

作詞・作曲:高見沢俊彦/編曲:井上鑑

タカミー、小泉様に伝説の2曲を残す。

11月21日発売

『WAKU WAKUさせて』 中山美穂

作詞:松本隆/作曲:筒美京平/編曲:船山基紀

これもまたバブル予兆の傑作だが、バブル期に入ると中山美穂はアーティスト指向になっていく。

70-80年代アイドルブームは南沙織『17才』(71年6月1日発売)から森高千里のカヴァー『17才』(89年5月25日発売)までの17年11ヶ月(つまり18才になるまでの間)というのが私の定義なので、89年まで続けてもよかったのだが、これ以降プレイリストを作ってまで同時代性を確認したい歌手や曲がないので、これでおしまい。Fin。

ちなみにこの時代のアイドルブーム終焉の大きな原因は2つあると思っている。
一つは以前も書いたが、おニャン子がアイドルを「隣の女の子」的身近な存在にしてしまったこと。
もう一つの原因は87年デビューの森高千里。
アイドル(というかモデル)の容姿で、作詞もして楽器も演奏するという、アイドルとアーティストの垣根を壊してしまった。
その結果、90年代に入ると、安室奈美恵に代表されるような、アイドルよりもアーティストに近い存在が中心となる。アイドルが復活するのは、90年代終盤のモーニング娘。まで待たねばならない。

別の話を一つ。
「文化の進化」と「アイドルの変遷」は似ている。
文化は、主流という幹から亜流の枝葉へと木の枝のように伸び、その枝葉が太くなって幹になり、さらに枝葉が生えてくる。
アイドル不遇の時代に、テレビ番組企画として生まれたモー娘。がやがて主流となると、「会える」「握手できる」亜流(枝葉)アイドルAKBが出てくる。AKBが主流になると枝葉にももクロが、ももクロの幹が太くなってくるとでんぱ組が、そうしたちょっとトリッキーなアイドルが主流になると乃木坂のような正統派が出てくる。

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