メガネをかけた、優しい女の子
ご入居のお子さんからかけていただいた言葉に、忘れられないものがあります。
オランダ人のご夫婦のお子さんで、とても愛くるしい男の子がいるのですが、フロントを通る度に、ご機嫌でご挨拶をしてくれます。
ある時、フロントのカウンター越しに、私に向かって、彼が何か言いました。ドイツ語のようで、何を言っているのか分からず、笑っていたら。ご主人が、訳してくださいました。
「えーっと、彼は、メガネをかけた、優しい女の子、と言っています。」その瞬間、ハートの矢が、私の心臓に刺さった気がしました笑。その、子供らしい、素朴で美しい表現力に心を打たれ、こんな純粋な呼びかけは、子供のうちしかできないな、と感動したのでした。
また別の時は、不思議そうな顔をして、一言私に向かって言葉を投げかけました。お父さん曰く、「〇〇さん(私の名前)は、ここに住んでいるの?」、と聞いたのだそうです。私に会うのは、フロントのカウンター越しが多いので、ここに住んでいるのかと思ったんだな、なんて可愛らしいことを思うのかしら、と微笑まずにはいられませんでした。
彼の成長を見守るのが純粋に楽しいので、近づき過ぎずに注意しながら、いろいろ話しかけたり、新幹線が大好きだと聞いたので、新幹線の顔のイラスト一覧を印刷して、切り抜いたものをポストカードに一枚一枚貼ってお渡ししたりしています。
ご主人は日本語を勉強中で、フロントでよく雑談をしてくださいます。去年の年末には、奥様が、手作りのお菓子と年賀状を、息子さんと一緒に、わざわざ私宛に持ってきてくださいました。
このご家族を見る度、私の心の中も、ほわっと温かくなり、三人が仲良く歩く後ろ姿を、見えなくなるまで目で追ってしまいます。
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