長い人生、照る日も曇る日も、どしゃ降りの日もあります。

“コンシェルジュ”という仕事がユニークな理由の一つは、ご入居者の生活に非常に近い場所にいて、普段の生活のサポートをするところです。

コンシェルジュは建物内に住んでいるわけではありませんが、ご入居者の生活圏の、まさに中心で常に働いている訳ですから、生活を間近で見ることになります。

長い人生ですから、照る日も曇る日も、どしゃ降りの日もあります。私は、このお仕事について心底幸せなので、ここでも、基本的に明るい話題を綴っていきたいと思っていますが、もちろん皆さん一人ひとりドラマがありますから、いろいろなトラブルもあります。

騒音や臭いといった、よくあるトラブルから、発作や病気でAEDをお貸出ししたり、救急車を誘導したり、警察やセキュリティ会社を呼んだり、といったことも発生します。精神的に不安定になられて、建物内の設備を汚したり、壊してしまったり・・といった大事件もあり、狼狽・憔悴しているご家族を見ると、心が痛みました。

申し訳ありませんでした・・と、か細い声で謝罪をされる奥様を見て、思わず、「大丈夫ですから、今はご自身とご家族のことを、一番に優先されてください。ご本人ももちろん苦しいですが、周りで支える人も、本当に大変ですから。私も、以前うつ病を患ったことがあるもので、分かります」と言葉が出たのですが、気持ちが溢れて涙ぐまれた姿が、忘れられません。どうか、今は穏やかに過ごされていることを願います。

ご入居者の生活が、安全・快適・便利であるために、日々寄り添っていきたい、と思いながら毎日仕事をしていますが、以前、“馴れ馴れしい”という理由で、嫌われてしまったコンシェルジュもいたと聞くので、その点十分注意が必要だと思っています。適度な距離の大切さを考え、改めて気を引き締めている、今日この頃です。

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