ピープルフライドストーリー (55) 写真の保管……(エッセイ)    【作者コメント: 関係ないけど、NHKドラマでは、「虎に翼」の出来がいい……。民放ドラマは……。】


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(エッセイ)

     写真の保管

            by 三毛乱

 写真の保管に関しては、私はちっともまめではなく、全くもってズボラである。そもそもの手元にある個人的な写真(プリントされた写真)の量が圧倒的に少ないのである。
 で、去年母親が亡くなって、今年の春の法要の後に、姉と妹家族との食事会の時の事である。
 どういういきさつであったか、妹の旦那がスマホの中に保管していた私の写真を、それも幼い6歳ぐらいの頃の私の写真を、現在の私に見せてきた時の事である。
 私は顔に出さない様にしていたが、内心ギョッとしていた。
 妹の旦那に対して、「なんでお前が俺の幼い頃の写真を持ってるんだ! 俺はお前にそんな写真を与えた憶えはない! 俺自身がそんな写真を(プリントされた紙状態でも)保管してもいないのに!」と思っていた。
 でも、よくよく見れば幼い俺の隣には幼い妹が立っており、そうか、この男は妹の旦那だから、妹の幼い頃の写真を持っていても何の不思議もないのであり、それをスマホの中に保管していても別に何の不思議もないのであるなぁ、と思った次第でもあるのだが……。
 だがしかし、やはり「幼い頃の俺のクシャクシャに変な顔で笑っている、見ようによってはカワイイ笑顔であるが、ちょっと気恥ずかしくもある俺のそんな写真を勝手にスマホの中になんでお前が保管しているんだ!」と叫びたかったのである。
 だが、知性と理性ある類人猿、いや人間としては、黙ってニヤニヤしていただけなのである。実にくやし~い思いをしていたのである。
 私は、プリントした紙で妹の旦那やその他の人が私の幼い頃の写真を見るのは、まあ容認するが、しかし、一般的に広く拡散しやすいスマホに保管していることに、私は薄ら気持ち悪い気分を拭えないでいるのだが、こんな私は狭量に過ぎるのであろうか……。
 ニュースで、SNSに動画を上げた女性が無断に流用し拡散した女性を殺したであろう事件が報じられたが、まあ、そんな事件と結びつける事ではないと、いろいろ言われそうな気もするが、でもやっぱり、私の妹が彼女のスマホの中に俺の幼い頃が写り込んでいる彼女の写真を保管しているのは、まあ分かるけれども、妹の旦那まで俺の幼い頃が写り込んでいる写真をスマホに入れているのは、やはり……なんか気持ち悪いのであり容認したくない。
 10代、20代、などの人々で、写真を大量に愉しんでスマホでシェアしている人達には到底私の気持ちを理解出来ないかもしれないが、個人的には、スマホという機械・機器に対して漫然と信用信頼していない私としては薄ら寒い気持ちがするのであります。
 まあ、俺の気恥ずかしい写真を結果的にスマホに入れ込んでいる妹の旦那を、橋の上に誘い込んで橋から突き落とす、……なんていう事件は起こさないと思うが、いつかきちんと妹の旦那と幼い俺の写真については話し合わなければと考えている。ああ、いろいろ面倒だなぁ、と思うが……とりあえず今はそう考えている。
(ちなみに、映画監督の井筒和幸は、橋で女性を死に至らしめた女を、一生社会に出て来させない方がいい……みたいな事を週間アサヒ芸能で書いていたが、立ち読みした私としては、この意見に一応同意しておきたい)

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 ちょっと、話題を変えます。
 まあ、無難(?)な話題として民放のテレビドラマへの幾つかの感想を述べておきたい。
 深夜に放送していた中村アン主演の「約束」なかなか暗~い雰囲気が悪くなかった。中村アンは今まで注目してこなかったが暗~い内容による刑事の立ち姿が悪くなかった。新番組で、ラブコメのようなものに出演するのだが、少し観たくなった。
 あと、これも深夜の「闇バイト家族」と「ガールズブラックトーク」は、東京でよりも私のいる地域では数カ月遅く放送されたのだが、どちらも面白かった。
 そして、「アンチヒーロー」も面白かった。野村萬斎を追い詰める最終回はもっと激しく厳しくやって欲しかったし、当初のダークな弁護士の雰囲気のままで行くのはやはり日本のゴールデンタイムの放送では無理みたいで、結局悪漢弁護士でなく、正義のいい弁護士で終わるのは、もっと悪い弁護士を期待していた自分としては、まぁちょっと残念な気もするが、でも、裁判官を弾劾裁判で引きずり下ろす展開があったりして、とても印象に残った。裁判関係のドラマで弾劾裁判が行われたのはあまりなくて貴重なのでは? ……と、そんなにこれまでの裁判関係ドラマに詳しくもないのだが、さて、どうなのだろうか……?

 ところで、現実の話で、選挙が全国的に今年行われるみたいだが、選挙用紙には(最高)裁判官の名前が書かれていて、その裁判官達をクビにするかしないかを問うチェック欄があったりするが、あれは何のつもりなのだろう、なんかオマケみたいな、なんだかヘンな、どう噛み締めていいか分からないオマケみたいに載っている。私はテキトーに、✓とかXとか○とか記入しているが、事前に裁判官達の情報をサッパリ咀嚼してもいないのに、抜き打ちみたいに記入させるのは、なんかいつも変だと思っているのだが、あれはホントどうにかならないのかなぁ。モヤモヤモヤモヤモヤモヤモヤモヤモヤモヤモヤモヤモヤモヤモヤモヤモヤモヤモヤモヤモヤモヤモヤモヤモヤモヤ……。

 ともかく、今回のエッセイは現実世界はモヤモヤだらけである、という結論で終わりたいと思う。

……… …… ……… …… …… ……… 
             (終)

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