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「Future of Work」感想

世界最大規模の組織・人事コンサルティング会社コーン・フェリーが働き方の未来を考える上でおさえておくべき論点を6つのテーマから紹介した本。
同社のデータや発行物は日頃から仕事をする中で参考にさせていただいており、改めて最新データや時代変化を踏まえてまとめられている本と聞けば読まずにはいられなかった。6つのテーマの中には自分が過去に取り組んだことがある領域も複数あり、既知の内容も多かったが、改めてなぜそのテーマが今の日本において課題となっているのか、なぜ重要なのかという点を諸外国とも比べながら整理することができた点が良かった。
例えば「なぜ日本ではジョブ型雇用が根付かないのか」「なぜ日本は諸外国と比べてエンゲージメント水準が低いのか」というシンプルな問いに対し、過去から続く日本型雇用を踏まえた課題認識を答えることができるか。そしてそうした背景を踏まえた上で対応策を考えられているか。こうした一見当たり前な現状課題を、大学教授が書くような本よりもよりも客観的かつ端的におさえることができる点が、人事コンサルが書いた本書を読むメリットでもあったと思う。
特に私が過去より関心を高く持っているダイバーシティに関するチャプターでは「Diversity of One(個別多様性)」という概念を最新の概念として紹介していて、こうした考え方自体は認識していたもののこのようなキーワードを用いて表現されていることを知らなかったし、この実現をしたいために従来の「行動面」だけでなく「組織構造面」での対処が必要なのであるという繋がりに納得した。


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