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母の味

母の味と聞いて
思い出すものは人それぞれだと思う。

幸いにも私の母は料理がうまく、
とある1品以外はすべて美味しい料理を食べてきた。

その中でも私が好きなものは
豚汁とからあげ。
まるで男子中高生のようなメニューだが、本当においしいのです。
あ、さすがに一食でどちらも出てくることはないので安心してください。

豚汁に関しては、作り方を教えてもらって
今では自分なりにそこそこいいお味のものが作れるようになったが、
唐揚げはそううまくいかない。
もともと揚げ物を作るのが上手ではないので、
帰省する際に母に作ってもらったり、
多めに作ってもらって持って帰ってきたり、
うつ病発症当初の救援物資で送ってもらったりした。

ここでまたうつ病発症の時の話になってしまうのだが、
私は休職に入る前に味覚障害も出ていた。
また、味がわかっても【おいしい】と感じることがない日々が続き、
倒れないために最低限のカロリーをとるような生活をしていた。

休職することを上司に伝え、数日実家に帰った際に
母の唐揚げを口にすることがあった。
その時、どれくらいぶりかわからない【おいしい】という感想が心に沸いた。
『ちゃんとおいしい』と思えたことが安心したのと
どれくらいぶりかもわからに位に疲弊していたことに気づき
涙が出そうになった。
それと同時に、母の味の偉大さを感じた。

母の唐揚げはちょっと大きめの色濃い目、
あれです、トイプードルみたいな唐揚げ。
唐揚げ屋さんのものももちろん美味しいけれど、
私の舌に一番合うのは、やっぱり母のお手製の唐揚げなんだな。

つまらないよ~!早く帰っておいでよ~!
唐揚げも揚げたて食べられるよ~!!
と、たまに母から連絡がくるが、
次はいつ頃帰ろうかな、そろそろ一旦、
前より元気にな立った姿も見せたいな。

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