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百貨店

昨今、百貨店を取り巻く環境は非常に厳しい。なぜ百貨店の話を唐突にするのか。それは私が百貨店に勤める人間だから。20代で百貨店を選ぶなんてどういう神経してるのか、そんな声が聞こえてきそう。まぁでもダイエーがほんの数十年で没落したのに対し、百貨店は江戸時代から続くところも多い。よほどしぶといだろう。でもまぁ、今厳しい業界であることは変わりなくて、このままではヤバい。

何がどうやばいのか

じゃ、なにがどうやばいのか。1つは百貨店ではデータ活用がビックリするほどに進んでいないところだ。極めて属人的なスキル・経験に依存していて暗黙知がすぎる。どの商品がどれだけ売れているのかも肌感覚で、在庫回転率など気にしている素振りもなさそうだ。

もう1つは若者離れ。これもなかなかだ。ただ、百貨店はそもそもの昔から顧客層が中年以降に偏っていた可能性もある。このトレンドをこれからも続くとみるのか(今の若者が50代以降になれば来るようになると考える)、いや今の若者にはそんなトレンドは当てはまらないとみるのか、この判断が非常に今後の百貨店を左右することになると個人的に思う。

若者を取り込みたい百貨店

今の各百貨店の思惑としては、「なんとしても若者を取り込みたい!」だろう。その実現のため、サステナビリティをうたった企画や、Z世代社員による企画などの取り組みも見受けられる。ただ個人的にはこれらに対して懐疑的だ。

なぜならば、「そもそも百貨店は中年以降の行くところだ」と認識している若者にいきなりサステナブルだの、SDGsだのと謳ったところで、そんなことは彼彼女らの関心にすら入っていないであろうからだ。となりの部屋から、私のことに気づいて~と壁越しにとなりの部屋の人に手を振っているのと変わらない。問題はもっと深い。「百貨店は若者の行くところではない」という若者たちのこの認識をまず改めないことには何も始まらない。それを改めないかぎり、今やっている施策は、自己満足に終わるほかはない。

この若者の認識を改めるにはどうすればよいのか。これが目下のところの課題、しかもなかなか乗り越えられそうにない壁だ。ただ、この解決策を考えることはやりがいがある気もする。これからはちょくちょく百貨店の今後についても書いていきたいと思う。

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