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Jazzの系譜

卒業論文の研究で、最近はJazzの歴史について書籍を読んでおり、Jazzの変遷がややこしいなと思い、思考整理も兼ねてゆるく書きたいと思います。

Miles Davis

Jazzを語る上で絶対に外せないプレイヤーであるMiles Davis。1940年代前半から興ったビバップの牽引者であるCharlie Parkerに憧れ、彼を探し求めて、一緒に暮らすことに成功したというMiles(行動力凄すぎ...)。Milesは、1940年代後半から興り、西洋の影響をより受けたCool Jazzの創始者だと言われています。

Birth of the cool 

Miles が1949・1950年に収録したこのアルバム(リリースは1957年)は、Cool Jazzに多大な影響を与えました。

個人的には、"Budo"が好み。この曲ウィキペディアで見ると、「武道」のことだそうです。もしやと思っていましたが、やっぱりそうなんですね...。Cool Jazzは、West Coast Jazzに影響を与えています。West Coast Jazzの代表的なプレイヤーと言えば、Chet BakerやPaul Desmond、Dave Brubeck等がそうです。白人の方が多い。Milesは黒人ですが、音楽に人種を持ち込むのは嫌いな方だったらしく、人種の多様性を訴えていただとか(ここはEllingtonに似ている)。

余談ですが、個人的にChet Bakerで一番好きなのは、このAll The Tings You Are です。


Kind of Blue

1950年代後半からのビバップの限界を打ち破るために、Milesが収録したアルバム。Jazz史に残る名盤と語り継がれています。Milesは、それまでのコード進行に基づく即興演奏を脱し、スケールに基づく即興演奏を志向した。ここでのスケールとは厳密には、旋法のことです。ウィキペディアでの旋法の定義は以下のようになっています。

音階が単に音を音高により昇順あるいは降順にならべたものであるのに対し、旋法は主音あるいは中心音、終止音、音域などの規定を含む。 旋法は特殊化した音階、あるいは一般化した旋律として定義できる。

私は、プロのプレイヤーではないので、偉そうな口は叩けませんが、確かに、ビバップの曲とは雰囲気が違うように思います。というか、このYouTubeの曲原曲より半音高くないですか...?MilesはModal Jazz(モードジャズ)の創始者でもあるんですね!

Milesやっぱ凄いな

1人でこんなにも多大な影響をJazzに与えてきたプレイヤーはなかなかいないでしょう。Ellingtonは、他の人がほとんど真似できない、彼固有のジャンルを極めたのに対し、Milesは他のプレイヤーへの道標を提供したという意味では、Ellingtonより大きな影響力を持っていたことでしょう。Kind of Blueの収録に参加していたJohn Coltraneは、1960年代に、Ornette CallmanらとともにFree Jazzの先駆的な存在となります。このFree Jazzが1950年代後半から活発化した公民権運動と呼応することになります。私の研究範囲とガッツリ関わって来そうなところです。

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