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【描く自由を、もう一度】ぺんてるが今、大人のための『アートクレヨン』をつくる理由

学童用のクレヨンでおなじみのぺんてるから、2023年秋、一風変わった新しい画材が発表されました。

その名は「アートクレヨン」。

子どもの頃に使った懐かしい思い出の「クレヨン」と、なんだか高尚で難しそうな印象のある「アート」。
これまでにない組み合わせに、何それ?どんなもの?と思われた方もいらっしゃることでしょう。

これは、いつの間にか描くことをやめてしまった大人たちに、もう一度、自由に描く豊かさを取り戻してほしい、日常生活にアートを取り入れてほしいという想いを込めて、画家・美術系YouTuberの柴崎春通さんとぺんてるが共同開発した新しい画材。

クレヨンの手軽さで、油絵のように重厚な表現を愉しむことができます。

アートクレヨン作例『ハーモニー』(柴崎春通さん)

このアートクレヨンへの支援を募る、ぺんてる初のクラウドファンディングは、開始から48時間で目標達成。最終的に、2589名の方から1880万円にのぼるご支援をいただき、達成率626%という結果を残しました。
大きなご期待を受け、今秋以降には一般発売を視野に、検討を進めています。

これまでにないコンセプトで、大きな反響を呼んだアートクレヨン。
そもそも、学童用画材のイメージが強いぺんてるが、なぜ今、大人のためのクレヨンをつくるのでしょうか?

その理由を、アートクレヨン・プロジェクト発起人の「T」がお話します。



みなさん、はじめまして。私は、このプロジェクトを担当するぺんてる社員のTと申します。

なぜ、学童用画材でおなじみの当社が今、「大人のためのクレヨン」をつくるのか? 

そこに込められた私たちの想いを、お話しさせてください。

「ぺんてるは、何故大人のためのクレヨンをつくらないのか?」

『戦後の子どもたちに必要なのは、美術教育だ』という創業者の想いから、1946年にクレヨンの国内製造を始めたのが、当社の創業のストーリーです。
以来、77年間、小学校を中心に教育用の画材の普及を担い、子どもたちに描くことのよろこびを広げてきました。

そんな歴史を持ったぺんてるが出会ったのは、描くことの魅力をYouTubeで
発信し続ける柴崎春通さん。

柴崎春通さん

水彩画家、絵画講師、美術系YouTuber。 "おじいちゃん先生"の愛称で親しまれる。2017年からYouTubeにて『Watercolor by Shibasaki』を開始。チャンネル登録者179万人(2024年4月現在)。うち1割が海外からの視聴者である。

Watercolor by Shibasaki:https://www.youtube.com/c/WatercolorbyShibasaki

きっかけは、柴崎さんが子ども向けのクレヨンを使って驚くほど重厚な絵を制作する、1本の動画でした。

アトリエに伺った私たちに、柴崎さんが投げかけたのは「ぺんてるは、何故大人のためのクレヨンをつくらないのか?」という哲学的な問いでした。

その後、実際にクレヨンを製造しているぺんてる茨城工場へお越しいただき、開発担当社員をはじめとする多くの現場の社員にも直接語りかけていただきました。

私が描くことをやめた理由

大人の…といえば、パブロ・ピカソは「全ての子どもたちはアーティストである。問題なのは、どうすれば大人になってもアーティストのままでいられるかだ。」と言っています。

子どもたちは、アーティストでない私たち大人と何がちがうのでしょうか? 

末永幸歩さんの著書「13歳からのアート思考」によると「自分だけのものの見方で世界をみつめ、自分なりの答えをみつけ、新たな問いを生み出す」のが本当のアーティストだといいます。

ぺんてるの社内でも、折に触れて社員が描く機会を設けていますが、「久しぶりに画筆をもった」、「クレヨンを握ったのは小学生以来」といった声が上がります。

画材をつくる私たち自身が、描くこと(=アート)は一部の芸術家のものだと思ってしまっているのです。

私自身も、子どもの頃には描くことが大好きだったのに、中学生のときのある出来事(先生に「もっと男らしい絵を描いた方が良いよ」と言われたこと…)をきっかけに、人の目を気にするようになり、描くことをやめてしまっていました。

周囲に聞いてみても、そうした苦手意識を植え付けられた経験から、描くことをやめてしまったという大人は多いようです。

子どものための画材をつくってきたぺんてる。
しかし、そんな私たち自身が、大人になってからも、想像のままに描き、自分だけのものの見方・考え方、自分なりの視点をもって、同調圧力から解き放たれ、自分らしくいること、という自由を失っている。

私たちは、とても大切なものを失いかけている…。

そう気付かされたのです。

大人が自由に描く豊かさを取り戻したい

昨今のAIの進化は目覚ましく、人間らしさとは何かが問われる中で、加工された情報ではないオリジナルな創造性こそ、人の人たる所以といわれる時代です。その重要性は、ますます高まっていくことでしょう。

自分らしく描くこと、自分らしくいられる自由、それが、今を生きる大人には必要なのではないでしょうか。

「何故、大人のためのクレヨンをつくらないのか?」

柴崎春通さんの投じた一石は、私たちの中に確かな波を起こしました。

大人が自由に描く豊かさを取り戻すために、私たちの培ってきた技術を活かす。
「アートクレヨン・プロジェクト」には、ものづくりの会社であるぺんてるのそんな決意が込められています。

ぺんてるがクレヨンの製造を始めて77年。その知見の全てを結集し、柴崎春通さん監修のもと、大人が自由に描くために必要なものは何かを追求しました。

こうして完成したのが、クレヨンの手軽さで本格的に描ける画期的な画材。

初めて手にしたあのクレヨンのように、 自在に線を描けるのはもちろん、納得がいくまで鮮やかなまま色を何度も重ねられる。大きなキャンバスに大胆に色を塗り伸ばすこともできる。

こころ躍る色鮮やかさと、描き心地の革新的なアートマテリアル「アートクレヨン」なのです。

「描く」がある人生に踏み出そう

アートクレヨンを通じて、こころ躍るアートのある豊かな生活を送ってほしい。
それこそが、ものづくりの先にある、私たちの願いです。

私たちも「描く」ことを手に入れ、変わっていこうと思います。
あなたもアートクレヨンを手に入れて、「描く」がある人生に、私たちと一緒に半歩踏み出しませんか?

たくさんの方が、アートクレヨンを通して自由を取り戻し、私たちと共に、「描く」のある人生へと踏み出してくれることを願っています。

アートクレヨン・プロジェクトの歩み

2021年
 12月 「ぺんてるクレヨンをプロの画家が使い倒すとどうなるか?!」が柴崎春通さんのYouTubeチャンネルにアップされる。

2022年
 3月 ぺんてる社員が柴崎春通さんのアトリエでインタビューを行う。「大人のためのクレヨン」というフレーズが共有される。
 5月 柴崎春通さんがぺんてる茨城工場を見学。技術者との意見交換会も実施する。
 8月 柴崎春通さんへのヒアリングを重ね、1色のプロトタイプ(試作品)を作成。高評価をいただく。

2023年
 1月 新しいものづくりのプロジェクトとしてクラウドファンディング実施の企画として動き始める。
 3月 8色の構成を決定
 8月 詳細仕様が固まる
 11月 クラウドファンディング開始

2024年
 2月 クラウドファンディング終了
 秋以降 アートクレヨン一般発売(検討中)



アートクレヨンに込められた想いと熱意。
「描く」のある人生について、みなさんは、どのように感じられたでしょうか。

現在、一般発売に向けて検討を進めているアートクレヨン。
4/20(土)には、クラウドファンディング支援者の方向けに、柴崎春通さんと山田五郎さんによるオンライン「開封の儀」&お絵描きイベントを予定しています。

どなたでもご覧いただけますので、アートクレヨンについて、また、柴崎さんと山田さんのトークやお絵描きについて、ご興味のある方はぜひどうぞ!

ぺんてるは今後も、アートクレヨンをはじめ、みなさんの日常生活にアートを取り入れるお手伝いをしていきます。
今後の取り組みにも、どうぞご期待ください!

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