見出し画像

瓶の中の思い出

去年の夏の思い出が詰まった瓶を殻にして持ってきた
きみとの記憶が賞味期限のコーラのように
何も泡立たなくなり
喉で感じる爽快感もなく
ただ甘いだけの関係に飽きたのだろうか
気の抜けた心にさよならしたくて

ここから観た花火も
ここから始まった恋も
時間の消しゴムにさらわれて
今では殻の瓶だけになってしまった

夕闇が近ずくと
自転車できみが探しに来た
笑顔はいつものように素敵だ
何気なく瓶を眺めながら思った
明日からの君と過ごす思い出を
少しずつ瓶に詰めてゆこう

星の砂のように
初恋の音がするように

サポートが元気の源です!頑張ります!!