誰かを叩くことで結束力を強める日本人の恐ろしさ

　先日行われた都知事選では大方の予想通り小池百合子氏が当選しました。小池氏に次いで石丸、蓮舫両氏が票を獲得する結果に。
　
　私は都民ではないので、どれほど選挙が盛り上がったのかはわかりませんが、SNSを観測する限りは多くの人々の関心事となっているように思いました。

　その中でもひときわ話題をさらったのが石丸伸二氏。安芸高田市の市長を辞め都知事選に立候補し、結果として多くの票を獲得したのでかなりの人が注目することになりました。

　いや、選挙の結果云々よりもその高圧的な態度であったり、人を見下すかのような振る舞いに多くの人が注目を集めていました。SNSでは石丸氏の言動や振る舞いに対して皆積極的に非難をすることに。

　私も断片的にではありますが、石丸氏のインタビューなどを見て確かに良くないなぁと思いました。しかし、それ以上に「集中砲火」で石丸氏を非難する日本人に恐怖を感じました。

　確かに石丸氏の言動や振る舞いは良いとは言えない。けれども、日本人の多くが一斉に一人の人間を非難するのは筋違いだと思います。

　日本人はどういうわけか誰かを徹底的にぶっ叩くことによって謎に結束力を強くします。悪い人間がいたら、その人を皆で徹底的にぶっ叩く。最初は批判だったのが非難になり、非難が罵倒になり、そして完膚なきまでに打ちのめす。そしてSNSで皆で一緒に「功績」をシェアする。過去に誹謗中傷で自殺をした有名人もいました。

　それぐらいに日本人は誰かを攻撃することにためらないがない。普段は穏やかなように見えるけれども日々叩くべき対象を探している。

　石丸氏の件も例外ではなく、Xでは容赦なく叩く。最初は安芸高田市市長での「老害を駆逐する」ことで感心していたのにもかかわらず、彼の素性がヤバいとわかるや徹底的に攻撃する。

もちろん、批判される石丸氏にも問題はあると思いますが、それ以上に日本人の「集団攻撃」がエスカレートしているように感じます。このまま収まればいいのですが、批判→非難→罵倒→皆で結束力を強くするという流れにならないかが心配です。　

一度エンジンがつくと止められなくなる日本人。このようにして皆常に誰かを攻撃しているのです。