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第3章(1)図よりも文章の多い参考書を選べ

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理解型参考書は「理解」を重視した教材です。前回お話した通り、この種類の本には基礎内容の優しい解説が不可欠です。

さて、「理解」をテーマにした際に考慮すべき要素は他にもあります。それは図や絵、表やまとめなどの視覚情報です。視覚情報を上手に利用した参考書はたくさんあります。最近では可愛いキャラクターや美少女を使用することも定番になっています。こうした視覚情報は、非常にインパクトがあり、魅力的にもうつりやすいです。

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しかし視覚情報が多いだけで、理解型参考書として適しているとは言えません。なぜなら図や絵、表やまとめは理解する手助けにはなっても、理解するための情報量としては少ないからです。もちろん視覚情報により理解が深まる場合は多々あります。しかしそれは、もともと頭にある独立した知識同士が表やまとめを見ることで整理できたり、図や絵でイメージ化することで併記されている文章が理解しやすくなっているだけであり、視覚情報のみで理解しているわけではないのです。

例えば、寝てしまって全く聞けなかった授業のノートを友達に見せてもらう場面を考えてみましょう。友達のノートは綺麗に整理されており、大変見やすいノートです。すぐに自分のノートへ同じように書き写します。でも改めて綺麗に整理されたノートを見ても、書かれていることを十分に理解できません。

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「ノートは結局書いた人にしかわからない」とはよく言われます。そこで、友達にお願いしてノートの内容を解説してもらいます。そうして、初めて綺麗に整理されたノートの内容を理解できます。

綺麗に整理されたノートは一種の視覚情報です。そこに友達の解説という言語情報が加わって、初めて視覚情報はわかりやすい情報へと変化を遂げます。このように、図や絵は十分な解説があって初めて効果を発揮するのです。裏を返せば、理解に不可欠なのは図ではなく文章であるということです。従って、理解型参考書は視覚情報よりも言語による情報が多いことを条件としています。

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あくまで図や絵、表やまとめは脇役であり、理解を左右するのは解説です。文章が多ければ多いほどよく、せめて7割以上は文章が望ましいです。もしどうしても図や絵などの視覚情報が欲しいなら、理解型参考書とは別にもう一冊整理型参考書を併用するか(後述)、インターネットで視覚情報を参照することをお勧めします。この手法は、言語情報と視覚情報により理解の相乗効果を狙うことができるため非常に効果的です。

ただ理解型参考書単体で考えると言語情報と視覚情報は主と従の関係にあることが必要条件なのです。

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