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第4章(2)問題集は豊富な解答解説が命

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問題学習型問題集を選ぶ際、問題パターン数と同程度に確認すべき重要な要素があります。それは解答解説量の「豊富さ」です。具体的には1問に対し1ページ以上の解答解説で構成された教材が望ましいです。これは絶対に妥協してほしくない条件なので詳しく説明します。

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豊富な解答解説が大切である理由は二つあります。

一つは「一人で勉強するために豊富な解答解説が不可欠だから」です。

教科書の問題や学校指定の問題集を解いている時に、誰もが一度は使いづらいと感じたことがあるでしょう。これら使いにくい教材に共通した要素として「解答解説が不十分である点」があげられます(あくまで初学者にとって不十分であり、指導者にとっては十分と思われるかもしれませんが…)。皆さん、お気づきかと思いますが、学校の教材は基本的に解答解説が少ないです。中には解答しかないものや、「解答すら」ない問題集もあります。

なぜ学校では、解答解説の少ない教材が使われるのでしょう。それは学校の授業が中心に置かれているからです。学校の教材はあくまで先生の授業で使われる道具の一つ、脇役でなければなりません。つまり先生の解説があることで初めて成り立つ教材が好まれ、採択されます。だからこそ、学校で使う教材は解答解説が少ないのです。

学校の教材は原則学校で使うものとして配られます(実際は自習でも使うよう言われていることが多いですが、どう考えても自習や独学用には作られていません)。
ただ使う側(学生)からすると困ります。なぜなら学校の教材は、授業以外でも使うことが多いからです。自分で勉強を進めようと思う人は、まず身近にある学校の教材で勉強します。宿題も、部活が終わり、家に帰ってから取り掛かります。休日一人で勉強する際には主に学校の教材で勉強することになります。このように学校の教材は授業以外でも使われることが意外と多いのです。しかし解答解説が少ないため当然、理解しにくく、学習効率も意欲も下がります。

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私もこんな経験があります。ある日「物理重要問題集」という教材が学校で配られたのですが、解説がありませんでした(本当に一行程度の解答しかないのです)。となれば授業の解説を待たなければならず、自分で先に進められません。非常に困りました。さすがに不便なので、本屋に行き、他の問題集を探していたところ、学校で配られた教材と全く同じ「物理重要問題集」を見つけました。手に取ると、驚いたことに詳しい解答解説の冊子が一緒になっていたのです。つまり同じ問題集でも学校用の問題集と市販用の問題集では作りが異なっていたわけです。授業より早いスピードで独学していた私には豊富な解答解説が不可欠であったため、やむを得ず本屋で見つけた解答解説付きの全く同じ問題集を改めて買うことにしました。

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正直に言うと、学校で配られた教材のみを使い学習するのはリスクが高いです。なぜなら学校の授業が分かりにくい場合、その教科書や問題集は極めて使いづらい教材になるからです。それでも、定期テストは主に学校の教材から出題されるので、無理やり使って勉強せざるを得ません。当然分かりにくく理解も不十分となるので苦手意識を持ってしまいます。苦手意識が持つとリカバリーは困難を極めます。従って解答解説の少ない学校の教材は定期テスト用に最終チェックとして使うことはあっても、普段の学習用に問題学習型問題集として使うべきではありません。もちろん学校の教材の中にも、解答解説が豊富な教材はありますし、逆に市販の教材でも解答解説が不十分な教材はたくさんあります。なので、実際は学校の教材、市販の教材関係なく、一人での勉強を成り立たせるために解答解説の豊富な教材を選択することが大事なのです。

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二つ目の理由は「問題学習でフローチャートの作成とポイントの抽出を行うためには十分な解答解説が必要不可欠だから」です。

問題学習は問題パターンを分析し、その解答の流れを一般化(抽象化)し習得することです。となると、その工程において解答解説はなくてはならないものです。解説が少なければ解答に関し理解が不十分となりフローチャートの作成やポイントの抽出など到底できません。十分な解説があって、初めて解答の流れや考え方を理解でき、それを元にフローチャートの作成やポイントの抽出を行うことができます。こうした点からも豊富な解答解説はやはり必須な要素と言えます。

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以上二点が主な理由です。

冒頭で必要な解説量を示しましたが、厳密に言うと解説量の目安は科目ごとに異なります。例えば文法問題は1問に対し4〜5行以上の解説があれば十分です。従って、解答解説量を見極める際には、自分にとって「一人で」「問題学習を行える量かどうか」が判断基準となります。

何より、勉強は学習者がやるものです。勉強の当事者が一人で勉強しやすい教材を使うのは当然です。従って、どの種類(四つに分類したどの種類)の教材でも「わかりやすさ、理解しやすさ」が必要で、そのためには十分な解答解説が不可欠なのは自明です。

実際に手にとり、解答解説をしっかり吟味しましょう。妥協せず、解答解説が豊富な教材を選択し自分のための学習を行いましょう。

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