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第4章(3)問題を解く流れが抽象化されているか

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問題学習型問題集に豊富な解答解説が必要な理由は、「一人でフローチャートの作成やポイントの抽出、すなわち問題学習を行うためである」と述べました。問題学習をするための教材なので、フローチャート作成やポイント抽出のしやすさは重要な判断要素となります。それは解答解説の量だけでなく、内容にも求めなければなりません。では問題学習に適した解答解説の内容とはいったいどのようなものなのでしょう。

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大きく分けてポイントは二つあります。

一つは「理解しやすい解説」です。何度もいいますが学習には常に「理解」が伴わなければなりません。それは問題集においても同様です。解説により解答の流れを理解できて初めて、問題学習が可能となります。理解はなにより大事な基本です。従ってどの教材でも理解のしやすさは常に追求しなければなりません。

もう一つは「解説の中に一般化(抽象化)された内容が書かれていること」です。問題集の一般的な解答解説の多くは、その問題でしか通用しない内容です。すなわち、他の問題にも使えるように解き方や考え方が抽象化されていないのです。それは親切な解説とは言えません。問題学習は、それぞれの問題パターンに対する解き方を学ぶので、可能な限り他の問題にも使える形で習得しなければなりません。そのためには解答の流れや大事な考え方を一般化(抽象化)する必要があります。それが第2章で実践したフローチャートの作成とポイントの抽出です。しかし一般化(抽象化)は慣れていない人にとっては、少し難しい作業です。

慣れると、親切でない解説でも一般化(抽象化)できるようになりますが、最初は時間も労力も少しかかるでしょう。となると、誰もが手にとる機会がある学校指定や市販の問題集は特に、問題学習しやすいように、一般化(抽象化)した内容も解説に含まれるような親切さがなければなりません。ただ、残念ながらそうした親切な問題集は少ないため、自分で探す必要があります。以上から、問題学習型問題集を選ぶ際の重要な要素に位置づけられるのです。

例えば青チャートの「指針」。ここには一般化(抽象化)された解法がまとまっています

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また標準問題精講の「精講」と「解法のプロセス」も解答の流れが非常に丁寧に一般化されています。

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先ほども述べたように、一般化(抽象化)された内容が解説に組み込まれている問題集はそう多くありません。しかしどの科目にも必ず親切な問題集は存在します。その問題集こそ問題学習型問題集としてふさわしい教材です。初学者だけでなく、一般化(抽象化)するのに慣れている人でも大事な情報が抜け落ちることがあるので、できればこうした丁寧な解説のある問題集を選ぶことをお勧めします。

以上の二つが問題学習型問題集の解答解説の内容に求める条件です。量だけでなく内容にもこだわり、問題集を選択しましょう。

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