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みどり

グリーンカレーがまあまあ辛いらしいということが受け入れられない。りんごの皮をむくとき、手を切るのが怖いからといって包丁と親指を離して持つと余計に危ないと言われたときの感じに似ている。あとは、火を付けたときと油を引くときの間にあるほんの一瞬の時間、フライパンが空だき状態にあるのが危ないと信じていたときとも似ている。

カレーが辛いのではなく、カレーという食べ物は多くの香辛料を併用して味付けをした料理であって、だから辛いらしい。そう考えるとグリーンカレーが辛いのも受け入れられる気もしてくる。これは、卵の割り方を注意されたときと似ている。「あんたのは卵を粉砕している。卵を割っていない」そうか、卵は、割るのか。割る、と思いながら卵を割ると卵を割ることができる。私は確かに卵を割るようになった。見た目はたいして変わっていない。

私はグリーンカレーを食べたことがない。そして、グリーンカレーは、カレーではないらしい。

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