朝を有意義に過ごしたい!ユーザーボイスから見える朝時間のニーズとは?
こんにちは、ぺんきち@Blabo!です。
共創コミュニティサイト「Blabo!」に投稿されたユーザーボイスから、インサイトや商品開発のヒントを探っていく『Blabo!コラム』。
今回のテーマは「朝時間」です。「朝」という時間が本質的に持っている価値やそこに求められるニーズとはどのようなものなのか。 ユーザー(※1)から寄せられた声やアイデアから見える理想像を踏まえて、それを商品開発のアイデアに落とし込むヒントを読み解いていきたいと思います。
◆ユーザーが考える10年後の朝時間とは?
このテーマでユーザーに投げかけたお題は下記のものでした。「10年後の未来予想図シリーズ」と銘打って様々なテーマでユーザーボイスを集めたうちの1つとなります。
「10年後の未来予想図シリーズ」 は、社会トレンドの変化や技術の発展などを踏まえて「10年後の未来はどんな世の中になっていて、自分たちはどんな気持ちで、どんな暮らしを送っていそうか」と問いかけることで、現在もしくは近未来に役立つ商品開発のヒントを得ようという企画です。
さて「10年後の朝時間」と言われて、皆さんはどのような想像をしますか? テクノロジーが進化したキラキラな朝を想像しますか? それとも、いまよりも情報が溢れた忙しい朝を想像しますか?
◆いかにも近未来的な朝時間
まずは「いかにも近未来的な朝時間」というアイデアから見ていきましょう。ユーザーボイスからは、働き方改革という社会トレンドからのテレワークの普及・進展や、仕事や暮らしを支援するロボット技術の発展などが、「朝」の気分や過ごし方を変える(変えてほしい)というアイデアがいくつか挙げられました。
フレックスやリモートワークなど、10年後にはきっともっと沢山の企業、 人に浸透していて、朝の時間の定義は会社が決めるものではなく個人が決めるものになっているのでは。通勤ラッシュもなくなっている…といいな
AIやIoT、ロボティクス等により、単純作業ではなく、企画やサービス設計等クリエイティブな事に思いっきり時間を使える。 1日のスタートとして、 ワクワクが止まらない朝を迎えたい
目覚まし時計が鳴ると二足歩行のロボットが『おはようございます』といいながら近づいてきて今日の遊びのプランを提案してくれる。それが決まると温かいコーヒーを持ってきてくれる。そんな未来もいいなあ
朝体重計に乗っただけで、体重のみならず体温・血圧などなど健康のバロメーターなる数値をはじき出し、今日のオススメの過ごし方を教えてくれる。 具合が悪ければ診察予約までしてくれたり…なんて
ところがこのような「近未来的な」ユーザーボイスは実は多数派ではありませんでした。では、多くのユーザーはこのお題にどのような回答をしたのでしょうか。
◆朝の本質は10年やそこらでは変わらない!?
朝は1日のスタートです。働き方が変わってもテクノロジーが発展しても、そのこと自体が変わることはおそらくないでしょう。ユーザーボイスからも、1日の始まりを清々しく迎えたいというものが多くみられますが、ここは多くの人が同意するところでしょう。
ウォーキングにちょうど良い距離にあるカフェなどでモーニングいただきながらアイディアの整理やスケジュールの管理などして一日のブースターにしたいです
朝6:30頃に気分よく目覚め、 朝ごはんの時間をゆっくりいただきたい☆ 今は起きる時間バラバラ、朝食べずで少しバタバタしてるので、朝もゆっくり過ごせる時間作れるような10年後にしていたい
若干低血圧なせいか、平日も休日も朝すっきりと目覚めることがありません。 前日に食べるもの、お風呂、睡眠、光など、自分の体調、精神状態を トータルでチェックし、気持ちの良い朝を迎えられる仕組み、サポートしてくれる何かがあれば嬉しいです
仕事の悩み、人間関係の悩み、お金の悩み、健康の悩み、将来の不安あらゆる悩みや不安から解放され清々しい朝を迎えたいですね
1日のスタートである朝は、考え事などがない”ゼロ”の状態から始められる、自分をコントロールしやすい時間である反面、忙しさや健康状態、悩み・不安などから結局思い通りにいかない現状がある、という状況が垣間見えます。
理想に対してアンコントローラブルな部分があると、理想とのギャップを余計に強く感じてしまうのかもしれませんね。ちなみに、いつになっても朝の本質は変わらないとする意見として次のような投稿もありました。
20年前も30年前も朝は変わらないというのがイメージです。心地よく適度に早く起きられれば有意義な朝を迎えて、寝不足で残り時間少なく起きれば 慌ただしく準備をする、それは変わらない。なら、装置か環境か薬かはわかりませんが、睡眠がより良く取れるようになってくれればと思います。
◆朝は最も感受性の高い時間帯
ユーザーボイスには「いまにでも実現したい理想的な朝」を描いたと思われるものも多数ありました。これらは”近未来”や”10年後”といった概念とは無関係に見えます。先ほどの”いつになっても朝の本質は変わらない”ということが根底にあるのかもしれません。
暑い日も寒い日も「炊きたてのご飯とお味噌汁」の香りに包まれて朝食を摂る。 そして最後は、日本茶の入れたての香りに包まれて喫茶を楽しむ。これが私のささやかな望みです
シンプルな朝食でも 「ああ,これは美味しいなあ」って思える清々しい朝があるのです。 その状態がコンスタントに実現できると嬉しいです。 食後にはラジオでニュースを聴きながら淹れたてのコーヒーを飲みます
目覚まし時計や 誰かから起こされるのではなく、 太陽の光や小鳥の鳴き声で 自然に目を覚まして1日が始まる 習慣になっていたいと思います。 遅刻しない時間で自然な目覚めから始まる朝が理想です
これらのユーザーボイスからは、”五感”という共通項が浮かび上がってくるようです。 様々なことがリセットされて“ゼロ”の状態である朝は、本来1日の中で最も感受性の高い時間帯であり、そこで香りや自然、空気を感じ取りたいという想いが伝わってきます。
逆に言えば、朝の時間帯ですらそれを感じ取れないのならば、雑多な日常において感じ取ることなど不可能だという、忙しい現代への逆説的な問いかけになっているとも言えそうですね。
◆ユーザーが朝時間に求めるものとは
ここまで、朝時間に関してたくさんの意見・アイデアをご紹介しました。感じることや求めることは人それぞれではあるものの、概ね次のように集約できそうです。
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●朝は五感がリセットされて1日の中で最も”ゼロ”の状態に近く、感覚が研ぎ澄まされる時間である
●忙しい日々において、自然を感じたり落ち着きを得るにはその時間が最適
●なのに、多忙や体調、悩み・不安などから思い通りにいかずもどかしい
↓ ↓ ↓
「朝」は、1日の中で最も”ゼロ”になれる時間。
悩みや不安などは横において、五感で味わったり自然を感じたりしながら、今日のことについて自分自身と対話したい
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当初のお題は「10年後の朝時間」でしたが、ユーザーボイスから見出されたのは、普遍的な朝の価値とそのニーズでした。少し先の未来像や理想を問いかけることで、「朝」という時間の本質価値やニーズを引き出せた好例ではないかと思います。もちろん、はじめに挙げた「いかにも近未来」な朝時間像も、この本質価値の延長線上にあるはずです。
◆商品開発のヒントを探ってみよう
最後に「朝時間」に関する商品開発のヒントを少し探ってみたいと思います。先ほどの集約を発展させると、次のようなアイデアの方向性が考えられそうです。
①朝をしっかりと”ゼロ”にする(できる限りリセットして朝を迎える)
昨今「睡眠の質」を高めるいろいろな商品やアプリが話題ですね。ここでは「朝の充実から逆算して睡眠を改善する」というアプローチも考えられそうですし、さらに時間軸を伸ばして、夜時間の改善という切り口もあるかもしれません。
②朝のタスクをできるだけ少なくする
朝ごはん用メニューなど「時短」や「手間いらず」を焦点にした商品は市場に多数ありますが、「ゆとり」を生み出すための商品というのは少ないのではないでしょうか。感受性の高い朝時間をより有意義にするための商品というものがあってもいいと感じます。
③朝の時間に気を配らなくてもよいことは意識からできるだけ遠ざける
これは難度が高そうです。1日のタスクを管理してくれるアプリなどは多数あるものの、それに加えて頭の片隅に残ったモヤモヤを一時的に隠してくれる何らかのツールの登場が期待されますが、それ以前に知恵や工夫も駆使してクリアしていきたいですね。
今回は、「10年後の朝時間」に関するユーザーボイスから、「朝時間」の本質価値やニーズを読み解き、商品アイデアのヒントを導くというアプローチをご紹介しました。中には、日々の習慣の改善など個人的に実践してもよさそうな暮らしのヒントもいくつかあったように思います。
「Blabo!」では常に様々なテーマのお題を公開しており、ユーザーボイスの募集だけでなく、ユーザーとの対話を通じたアイデア創発支援などのプロジェクトを行っています。ユーザーとして声を届けたい方も、プロジェクトに関心をお持ちいただいた方も、お気軽にアクセスしてみてくださいね。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
※本コラムで紹介したユーザーボイスは、できるだけそのままご紹介していますが、一部で抜粋や文言修正などを行っています。また、これらの著作権はすべて株式会社Blaboに帰属します
※今回のお題に対するユーザーボイスは下記のサイトにて見ることができます https://bla.bo/boards/1330
※1)ユーザー:Blabo!に登録している生活者の皆様
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