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オッペンハイマーが一変させた世界は「修正可能」なのか?

こんにちわ、ペンギンラボです。会社を設立して3週間が経ち、これからどんなことをやっていこうか、メンバと色々話をしています。

メンバそれぞれの強みを活かして、AI人材の育成とか、衛星データと生成AIの掛け合わせなど、色々な面白そうなテーマが出てくる中で、「そういえばペンギンラボのビジョンって何だろう?」と思いました。

ビジョンというのは「何かがあって、たとえ失敗したとしても、それがあれば再起できるもの」だと思っています。最終ゴールというよりは、自分たちの存在意義、モチベーションの源のような感じです。なので、ビジョンに向かう中でビジョン自体が変わってもいいし、他のビジョンが増えてもいいんだけど、今掲げたいビジョンって何だろう?っと思っていた訳です。

そんなことを考えている最中、ふと「衛星って、地上に対する抑止力になる気がするんですよね」という後輩の言葉が頭に浮かびました。後輩の勤めている会社は、中国に幾つもの契約農家があります。定期的に視察に行くらしいのですが、圃場の様子を離れた場所から監視すればコストも抑えられるし良いよね、という話の中で出てきた言葉でした。

これを思い出した時に「そうか、もしかしたら衛星の力を使って戦争を終わらせることができるかもしれない!」と思ったのです。とはいうものの、飛躍しまくりの妄想なので、とりあえずWebで机上調査することにしました。

すると、アメリカが1983年、当時のレーガン大統領が提唱した通称「スター・ウォーズ計画(正式名称:戦略防衛構想)」がヒットしました。これは、衛星軌道上にミサイル衛星やレーザー衛星、早期警戒衛星などを配備し、それらと地上の迎撃システムが連携してソ連から飛来する大陸間弾道ミサイルを迎撃する、というものでした。

当時の貨幣価値で180億ドル以上の予算が投入されたものの、超高速で飛来するミサイルを宇宙空間から撃墜することは当時困難であり、ソ連の弱体化も相まって計画の必要性は薄れ、構想は流れてしまいました。

しかし、その後もアメリカでは宇宙空間からのミサイル撃墜について研究を重ねています。日本の内閣府の資料によると、1989年にロスアラモス国立研究所が行った「中性子ビーム(Neutral particle beam:NPB)」の実証実験は、大気圏外からミサイルの撃墜が可能であることを示した「今日で最も成功した実験」と書かれており、この成果をもとにアメリカのミサイル防衛局が2019年ごろから「NPBが戦略的ミサイル防衛のためのゲームチェンジャーになる」と宣言し、2023年から軌道上での実験を行うという野心的なターゲットを掲げています。

中性子ビームのイメージ(内閣府資料より

このように少し調べただけでも、技術的な実現可能性と、何よりもこういったことを議論している人たちがいる、という事実に気づくことができました。

では、我々はどういうアプローチでこのビジョンを達成するのか?まだまだ煮詰まってはいませんが、いくつかのポイントがあります。1つ目は「AI×衛星による異常検知技術の開発」です。

下の図は、緑の生い茂る山を正常データとして学習させた際に、秋の紅葉を検知できるか試したものです。広い国土を常時監視するにはAIの力が必要です。こうした技術を磨くことで、地上のあらゆる「いつもと違う」をリアルタイムで検知できれば、ビジョンの実現に一歩近づくことができると考えています。

センチネルで撮影した紅葉写真から紅葉部分を検知したもの

2つ目は内閣府とのパイプです。ペンギンラボの代表は内閣府の「AI農業社会実装プロジェクト」に参画しています。仮に、現在の日本の平和がアメリカの「核の傘」で実現しているのであれば、世界で唯一の被爆国である日本こそがイニシアティブをとって傘の代わりとなる仕組みを提唱し、自らの手でそれを実証すべきだと考えています。

ちょうどオッペンハイマーの映画が公開されていたのも何かの縁と捉え、まずはこのビジョンに向かって進んでみます。長丁場にはなりますが、たまにこの件についてお話ししてまいりますので、今後とも末長くお付き合いください!

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