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アンラッキーのなかのラッキー

昨日の夜22時、自宅の最寄り駅で突然の不幸に見舞われる。

お金が入っていると思っていたSuicaが残高不足で、精算しようと思ったらカバンに財布がない。

瞬時に脳内高速巻き戻しをして、理由に思い当たる。
あれだ。
仕事の途中で気晴らしに「飲むヨーグルト」をコンビニに買いに行って、ビニール袋に財布を突っ込みデスクの引き出しにいれたままにした!(ヨーグルトは飲んだ)
その時のズボラな自分を恨むが、それはもう仕方がない。

とりあえず、できうる限りの申し訳なさそうな表情で駅員さんに事情を話す。
今日はこのまま出て、明日このSuicaじゃ改札は通れないから、その時に精算すればいいと指示をもらえた。
胸を撫で下ろし改札外に解放されるが、バスに乗れずにトボトボと歩いていると、恐ろしいことに気がつく。

家にお金が......ない!! 

貯金箱とかもないから小銭すらない。まじでない。
NAI。会社で財布を手にするまでは完璧な無一文だ。
え、待って。明日どうやって会社行く? 会社行けないやん。それ困るやん。
仕事場までは片道510円。JRへの借金返済も難しい。友達に頼る?
でもわりと夜中だぞ。。。

仕事しているときよりも頭が冴え冴えとしてきて、脳みそがフル回転する。
図らずもピンチで蘇る、わたしの野性。

とりあえず、何とか明日の片道の510円を手に入れる方法を必死で考えてみた。

●家にある1000円の図書カードを何とか換金する方法を考える。
●近所の友達に謝り倒して510円借りる。
●携帯のSuicaアプリをダウンロードしてチャージ機能を使う。


換金は現実的ではないし、友人に迷惑は極力かけたくない。携帯アプリなら自己完結できる。
なかなか名案ではないか。

歩きながらぽちぽち登録を進めていくと、最後の最後にカード番号登録が出てきた。
エッ、カード番号、思い出せない。
どんなに頭を傾けても数字のひとかたまりも思い出せない。
人に迷惑をかけない方法を絶たれ、再び絶望の淵に立たされるわたし。
ザザーン。

とりあえず家に入ろうと思い、カバンをガサゴソしていると、ざらっとしたリュックの底に、触り覚えのある硬い物体がある。

ん?ん、、? 500円玉硬貨ーー!!!
もう少し探ると1円、10円、50円があり、全部で562円ある。
会社、、、行ける!!
おそらく財布のチャックが半開きになっており、そこからバラバラ落ちたのだろうと推測する。
この時ばかりは「最後までキッチリ何かを閉められない」自分を褒め称えた。

こんな時、神様ってやっぱりいるなあ、と妙に納得してしまう。
もう最後の最後の、これダメやったらもうアカン、みたいな時に、キラッと光が見えたりする。
アンラッキーのなかの一粒のラッキー。
何かいろいろやばいこともあったけど、最終的にはまあまあよかったんじゃないか。
わたしの人生はそんな感じのような気がする。

562円を大事に茶封筒に入れて、眠りにつく。

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