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苦労や心配をかけて申し訳ないけど、元気でいて欲しい私の父

私の父は現在79歳。今はのんびりというより、毎日本当は体調はすぐれず、ちょっとした買い物や修理以外は寝ている。

よく考えれば、私の小さい時は、朝の早くから出勤し営業職として働き、夜は接待で帰りが遅く、普段顔を合わすことは少なかった。

普段、一緒にご飯を食べる機会が少ないからか、休みの日はどこかに連れて行ってくれて、夏休みや冬休みは充実していたんじゃないかな?

定年退職の予定もあったけれど、在職中に取った「電気工事技師第1種」のおかげで、継続雇用で子会社立ち上げの責任者として残った。

この資格のおかげで、家の電気関係の配線工事もできるから、私が今住んでいる家の電気工事は、全て父と部下の人がやってくれて、非常に助かった。もちろん、お礼は十分に弾んだけど。

そんな父だが、4歳の時に大阪大空襲を経験して逃げ惑い、様々な苦労をして会社員になった。

さらには、私が社会人になってからは、「左足大腿骨骨頭部壊死」という股関節の骨のガンになって、人工骨をいれた。娘が中1の時には膝を痛めて人工関節を入れた。

肺癌も会社の健康診断で見つかり、左肺を全摘しているから、呼吸は苦しいし、今は前立腺癌がみつかったので、手術をした上でホルモン療法をしている。

ホルモン療法のおまけで、去年の冬に一過性虚血性発作で動けなくなり、救急搬送で一命を取り留めた。

ホルモン療法のままでいいそうだが、副作用でかなり太ってしまい、膝に負担をかけるので、ただいま食事ダイエットの生活を送っている。

実家にいくたびに「あー、しんどいし、だるいなぁ」とつぶやく父。
今は療養生活を続けているけれど、私と兄の為にと頑張って働いてくれたし、祖母に虐められている母を庇ったり、苦労の連続だったと思う。

喧嘩もしたし、しばらく口を聞かなかったこともある。もう少しで結婚が決まりそうになったのに、破談になって、毎日布団で泣いている私をそっとみに来てくれたりしたこともある。

会社では慕われていたようで、祖母の認知症をきっかけに退職した時は、元会社の人や子会社での部下の人から、いろいろとプレゼントなどをいただいて嬉しそうに帰ってきた。

小さい時はよく怒っていたこともあるけれど、今はのんびりとやや療養の生活をして過ごしている。怒涛の人生だったと思う。

今、父の昼間の日課は、ケーブルテレビの時代劇を見ること。勧善懲悪の世界と「なんでやねん」とつっこみたいところがいっぱいあるからだそうな。

たまには、実家は古い家なので必要な箇所の簡単な電気工事をしたりしている。私には、たまにDIYも教えてくれる。嫁入り道具に、工具セットと電動ドライバーを買ってくれた父だからだ。

私も電気工事技師を取ろうと思ったけれど、「2種までならなんとかできるやろうけど、1種は数学ができないとあかんぞ」と言われ諦めた。1種が扱える建屋の規模はでかいから(デパートなどの大型建物)難しい。問題集をみて、めまいがした。

そうやって、苦労しながら、病気といま戦いながらも、無理をしないように生活している父。

いつかお別れするかもしれないけれど、いつまでも私の持病が回復するまで、元気に過ごしていて欲しい。

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