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娘が生まれるまでの不思議な話

不思議体験と言うと「幽霊をみた」「霊感スポットに行ってみた」という話が出てくるのではないかと思う。

私は、物心ついた時から霊感はあった。初めて霊と会ったのは、4歳ぐらい。公園で遊んでいた時に、公園の片隅でいつもは見たことがないお地蔵様が見えた。

心理学の考え方としては、「霊が見えるのはありえない」らしい。でも、見えるのはなんだろうと長年考えた。

話は置き換わって、霊感があるという話から離れるけれども、私がいまだに不思議でならないことがある。

私は15年前に娘を出産した。里帰り出産だったので、帰る前に受診していた病院では検査していないことが多く、時期を見ながら追加検査をした。

ちょうど9ヶ月最後の検診で「ぺんさん、産道にMRSAがいないかの検査させてもらうね」と、産道から検体を取り出された。

MRSAは別名黄色ブドウ球菌と呼ばれている。もし産道にいるのなら、出産時に赤ちゃんが感染してしまうと最悪亡くなることになる。無事に生まれても、他の親子さんとは別室入院になる。

毎日産道内の消毒と陰性反応検査を繰り返すことで、産道の消毒をすると説明された時は、茫然としながら帰った。ただ、帰る時から「ひなちゃん(娘のお腹の中での名前)、絶対陰性になるまで出てきたらあかんよ」と、お腹をさするようにした。

毎日の消毒と検査の繰り返しは辛かった。臨月に入っても陽性反応だから、「ひなちゃん、陰性じゃないから出てきたらあかん。ちょっと待っててな」というと、ドンと足で蹴られたような感覚があった。

40週を超えて41周に突入しようとした時に、ようやく陰性反応が出た。しかし、予定日をかなり超過していて羊水も減っているので、誘発分娩に切り替えることになった。

念のために、お腹の赤ちゃんの心拍確認をしようということで、専用の機械をつけて、入院の説明を受けていると「あれ?ペンさん。陣痛始まってるで。それと心拍が止まったり動いたりしてるから、帰られへんで」と、いきなり入院になった。

陰性という声が、お腹にいる我が子に聞こえたのかな?急になんだかお腹が痛くなってきて、そのままLDR室に運ばれた。

お産自体は2日半。促進剤を使ったけれど、無事にこの世に出てきてくれた。予定日を超過していると羊水が徐々に減っていき、赤ちゃんの重みで胎盤が押されるので、心拍が止まることはあるという。

もしかすると、毎日私が「MRSAがなくなるまで出てきちゃダメ」とお腹に向かって呼びかけていたからかな?本当に陰性になるまで娘は出てこなかった。

どこで聞いたか忘れたけれど「お腹の赤ちゃんは産まれる日を自分で選ぶ」と聞いたことがある。本当かどうかわからないけれど、我が娘の場合は、自分の安全と私のよびかけで「あ!そりゃ大変だ。頑張る!」と決めたのだろう。

なぜ陰性とわかった途端に陣痛が始まったかは、謎だけれど、私にとっては不思議体験そのものには変わりない。

#私の不思議体験

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