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もしも今就活中のわたしに会えるとしたら

旦那さんとは知り合って半年で結婚した。だからわたしは実は彼の過去はほとんど知らない。それはわたしも一緒で、旦那さんはわたしの過去をほとんど知らないまま一緒に暮らし始めた。

基本的に夕飯は2人でとって、色々な話をする。(というかわたしがいつも勝手に話している)毎日仕事の話をしてもつまらないので、たまに過去の話をするんだけど、これが意外と自分の過去を振り返って考えを整理する機会になって良い。

昨日は学生時代で経験した企業インターンの話をしてた。旦那さんはメガバンク、わたしは新聞社のインターンに行っていた。わたしは新聞社インターンの話をしていて、どう考えても向いてなかったと話しながらきづいたのだ。

大学3年生。インターンにたくさん応募する中で、学歴もまあまあある癖に、そして売り手市場だったのにも関わらずわたしは落ちまくった。
最後に受けた新聞社のインターンは、1dayのインターンがあり、そこでスカウトされた人が2週間のインターンに行ける仕組みだった。わたしがなぜ選ばれたか。それは皆が帰った後も、記者の人に話を聞きまくって、目立ったから。要するに今までの実績関係なく、ただ目に止まったから選ばれたのだった。

けど、わたしは嬉しかった。当時「文を書く」という仕事に就きたかったわたしは、まさにそれを体現してると思ってる仕事のインターン出来るなんて飛び上がるほど幸せだったのだ。

しかしわたしはびっくりする程のポンコツだった。

とある日裁判の傍聴に行った。児童虐待の裁判だった。酷い虐待の内容を聴いたあと、判決は「過失致死」だった。びっくりしたわたしは明らかに故意なのに許せないと、記事の練習の時に書いた。
記事に私情を挟む記者なんていない。

そしてインターンの最終日前日。銀座の街に出て、誰でもいいからインタビューして、記事を書くという内容の日だった。
それまでインターン一緒だったメンバーと飲んだり、話したりしていて皆は書きたい記事というのがハッキリしていた。地方のことを書きたい、政治のことを書きたい、外国人の姿を映したい。色々あるけど、みんなハッキリしていた。だけどわたしにはなかった。みんな書きたい記事を目指すべく、ターゲットを決めてインタビューをしにいく。けど困ったことにわたしには書きたい記事がない。

仕方ないので宝くじ売り場に行って、宝くじ買ってる人に何をしたいのか何人かインタビューした。
あと宝くじ売り場のおばさんに勇気振り絞って聞いたのは
「すみません、当たる確率どれくらいですか?」

インタビューのセンスない。(もちろん断られた)

とこんなで当たり前だけど一次面接で落ちた。インターン自体は楽しかったけれど、全然向いてなかった。けれど自分でそこに気づけなかったし、もっというと就活の時、自分のやりたいことは結局見つからなかった。


旦那さんはわたしの話を聞いてゲラゲラ笑ってて、なんでこんなにも向いてないのに気づかなかったんだろう、10年前の自分何やってたんだって今更気づいたのだった。

理由は単純で、旦那さんがいなかったから。もっと言うと旦那さんみたいな人がいなかった。自分の考えを整理するためのつまらない話をただひたすら聞いて、それを受け止めてくれる人が。

両親は近くにいたけれど、両親はわたしにべた甘なので多分何でも肯定してただろうし、両親の願望も入ってきてしまう。当時いた恋人には色々話していたつもりだっまけれど、本当の素は出せていなかったんだと思う。自分はこう思うというのを話すとたまにダメだしされたりしたので、少し怖くなって都合のいいことをヘラヘラ言うようになってしまった。

要するに自分は華やかに楽しんでいたつもりの学生時代だったけれど、本当の居場所はなかったとも言える。

最近わたしはnoteをたくさん書けるようになったんだけど、それは自分の考えが明確になる回数が多くなったから。で、なんで自分の考えが明確になったかというと内省の時間が増えたのもあるけど、壁打ち出来る人がいるからだと思っている。

旦那さんもそうだし、職場のメンバーだったり、昔の同僚だったりコルクラボのメンバーだったり。本音で話せるひとが周りにはたくさんいる。そこでわたしはモヤッとしたことを壁打ちしたり、くだらない昔の経験を話して今だから気づける学びを得ている。

もしわたしが大学生のわたしに言うとしたら、冒険に出ようって言うと思う。就活をしまくる、じゃなくて自分を受けて入れてくれる人を探す冒険に。それはきっとその時に周りにいなかっただけかもしれないし、自分の周りにいるけど気づかないだけかもしれない。どっちにしろ、たくさんのコミュニティにお出かけしてみて、向いてなかったら方向転換して、色々な人にじぶんの思っていることをぶつける冒険に出た方が良いと思う。

たとえそれでたった1人しか壁打ち相手が残らないとしても、そのたった1人はとても貴重だし、というか1人だけでも贅沢。

それがもっと若い時に出来てたら変わったのかなあとも少し後悔してる。もう仕方ないけれど、若い人にいつかきちんと伝えられたらいいなあ。




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