マガジンのカバー画像

ぺも短篇集

11
エッセイや物語など
運営しているクリエイター

#学園ハンサム

鬼武者

「怖いんです」
彼はうつむいてそう告げた。男の隣では3m程もあろうかという鬼が目をギョロつかせ、舌なめずりして男を見つめる。両手にはナイフとホークを持っている。
「怖いって、その鬼が?」
「違いますよ」
少し語調を強めた男が答える。
男はずっとつむっていた目を開き震えた声で話し始めた。
「味噌まみれの赤ちゃんが、部屋の四隅から落ちてくるんです…慌てて受け止めるんですけど、既に遅いんです。落ちた赤ち

もっとみる