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絵本『かばくん』/読み聞かせ

動物園で日曜日を過ごすかばくんたちの一日。
かばの親子とかめくんは、
水の中を一緒に泳いだり、
動物園にきた子どもたちを見学したりして遊ぶ。

ゆったり流れる時間と言葉のリズムが心地よく、
読みきかせるときも、かばくんの動きみたいに
のっそりと読んでいます。
のびやかな絵も素敵で、大きくてユーモラスな
かばくんにぴったりです。

つむぐ 2歳0か月

僕がいちばん好きなページは、
かばくんとかばのことかめくんが
水の中で一緒に泳ぐこのページ。

かばより ちいさい かばのこ
かばのこより ちいさい かめのこ
かめより ちいさいもの なんだ?
あぶく・・・・・・・・・

この「あぶく・・・・・・・・・」の、
ぽつんとした響きと余韻がたまりません。
絵も、小さなあぶくが水の中で
ぷかぷかと浮いていて、とてもきれいです。

何度も読んでいると、つむぐも
「あぶく」が気に入りました。

かめより ちいさいもの なんだ?

と読むと、つむぐは

:あぶくっ!

と必ず言います。
言いたいよねぇ。わかるわあ。
僕は、彼の元気な「あぶくっ!」をきくのが
いつも楽しみです。

つむぐは続いて、

:あぶく、いっぱいあるねえ!

と、あぶくの絵を次々と指差した後、
かばくんを「パパ」、かばのこを「かか」、
かめくんを「つむぐ」と言って
楽しんでいます。笑

つむぐは、大きな口を開けて
きゃべつをくわえた、
かばくんのページも大好きです。

うわっ
たべちゃった

:たべちゃった!

元気よく言った後、かばくんの
口の中のきゃべつを手でつまんで、
僕と妻に食べさせてくれます。
自分でも食べています。

最初は、かばくんの口の中に
手を伸ばすのが怖くて、
「パパとって」と頼んできていたけど、
もう怖くないんだね。

つむぐは、絵本を読んでいるとき以外にも
『かばくん』のことを口にします。
一緒にお風呂に入っているときには、

:どうぶつえんで かばのことかめのこに 
  あったの。かかに だっこしてもらって 
  いったの。

と教えてくれました。
そんな記憶は僕にも妻にもないので、
夢で見たか、ほら話でしょう。

別の日の朝5時には、
親より先に起きたつむぐが

:ねむいならねむいといってくれ!
  もうじゅういちじ! ねむいといってくれ!
  かか! おきてくれ!

と叫んで、妻を起こしていました。笑

おきてくれ かばくん
どうぶつえんは もう11じ
ねむいなら ねむいと いってくれ
つまらないから おきてくれ

このページのセリフを
真似したかったんだね。

『かばくん』の詩的な言葉は、
心地よい独特なリズムをもっていて、
読んでいると楽しいので、
その言葉の魅力がつむぐに
響いたのかもしれません。

ある日の夜、布団に入るときに
「かばのこ みたい」と言って、
この絵本を読んでもらいたがりました。
とても可愛いので、父は『かばくん』に加えて
『かばくんのふね』も買うことにしました。

『かばくん』
岸田衿子 作、中谷千代子 絵
福音館書店、1966年

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