コーヒーブレイク

相手にリクエストをする時に、多くの人が無意識にやってしまっていること

 仕事もプライベートも充実するカギとなる「パートナーシップ」に特化したコーチング&トレーニングを提供するHOSUが、皆さんがパートナーシップでより大きな結果を得られるように、いろんな切り口で投稿しています。

 noteマガジン「パートナーシップを磨く」連投73日目。昨日も相手にリクエスト(依頼)をする時の話でしたが、今日はまた違った観点からみてみましょう。

 今日のポイントを思い出すことで、いままでとは違う体験をしますので、最後までお読みください。

 例えば、友達同士でキャンプに出かける予定があるとします。
 Aは食材や飲み物を買っていく係、Bはバーベキューコンロや炭など一式を用意する係と役割を分担していました。しかし、ビールを安く売っているお店はBがキャンプ場に行くルートにあり、Aが買いに行くとなると遠回りをすることになります。お肉や野菜の下ごしらえをする時間も含めて考えると、Aが買いに行くよりBが買ってきた方が時間の効率がいいなとAが考えたとしましょう。

 もし、あなたがAの立場だったら、どういう風にリクエストを伝えますか? わたしが耳にする確率が高い伝え方は、次のような文章です。

A:食材の下ごしらえに時間がかかりそうだし、ビールを買いに行くと遠回りになるし、キャンプ場につくのが遅れそうだから、Bが来る時にビールを買ってきてくれない?
B:あ、そうなの? ・・・んじゃ、買って行くよ。
A:ありがとう。

 要するに、「事情説明+お願い」という形ですね。
 これはこれで、Bが「いいよ〜」と快く引き受けるのであれば結構ですが、時として、「大丈夫だろう」とお願いしたことがあだとなって、禍根を残すこともあります。

 この「事情説明」と「お願い」の間に、「間(ま)」を少し設けるだけで、パートナーシップを深めるきっかけができます。例えば、次のような展開が予想されます。

A:食材の下ごしらえに時間がかかりそうだし、ビールを買いに行くと遠回りになって、キャンプ場につくのが遅れそうなのよ。
B:そうなの?
A:そう、間に合うかどうか微妙な感じ。
B:そっかそっか。
A:だから、キャンプ場につく前に、ビール買ってきてもらえたら助かるんだけど。
B:わかった。じゃ、買っていってあげるよ。
A:ありがとう。

 たったこれだけのことなんですが、違うのわかります?
 前者のように、「◯◯だから、△△して」と一文で言われると、言われた相手は「ヤダ」「面倒くさい」という反応を感じても、それを伝える「間」がありません。
 そこで、事情説明(◯◯)と、お願い(△△)の間に「間」を置くと、言われた相手は「大変そうだな」「大丈夫かな」といった自分の反応に気づくことができます。自分の反応に気づけた上で、「△△して」と言われたリクエストを、引き受けるかどうかを自分で考えて選択できるようになります。
 このようにみると、前者の「間」がないコミュニケーションって、相手に反応を探らせず、自分で考えて選択する時間を与えないということですから、そこにはパートナーシップはありませんね。

 そして、少し角度を変えてみてみると、「間」がないコミュニケーションって、相手から反論や拒否されることをおそれているーとみることもできますよね。
 それに、もし、相手に反論や拒否したい反応があったとしても、それを言わせないまま相手がやるってことは、やらされ感や被害者意識をもったままやるかってことになります。仮に、なにか作業が滞るようなことがあったら、「あれ?きっと納得してないんだろうな…」といった邪推も生まれかねません。

 逆に、「間」を開けることで、しっかり賛同してくれているという反応に触れる機会も増えるし、そうなればあなた自身も安心できるでしょうし、心強いでしょうし、その相手との間にパートナーシップも感じることができるでしょう。賛同してくれている反応をしっかりと受け取ることができていれば、「ここは揺るぎなく同意がある」という安心感も感じられるでしょう。

 ですので、ぜひ、何かのお願いをしたい時は、これを思い出してください。

× 「事情説明+お願い」
◯ 「事情説明▶︎間(この繰り返し)+お願い」

 そりゃ、納得していない表情を目の当たりにすることもでてくるでしょうけれど、しっかりと納得してくれていることも目の当たりにするでしょう。とにかく、「自分を言う」「相手を聴く」を繰り返すことで、相互理解も深まっていきますからね。あなたの周りに、「間」があるコミュニケーションが広がることを心から願っています。

記事に価値があると認めてもらえることは、何より嬉しいですし、とても力づけられます。いただいたサポートはパートナーシップの価値が大きくなる使い方につなげます。