勝てる脳、負ける脳

こんばんは!

今日は、内田暁さんと小林耕太さんの共著「勝てる脳、負ける脳」の読書感想を書いていきたいと思います。

著者の内田暁さんはテニスを中心にスポーツを取材してきたライターさん、
小林耕太さんは神経行動学を専門として、ヒトを含む動物を対象に神経と行動の関連を研究してきた神経学者さんです。

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内容をざっくり言うと

一流アスリートはなぜスーパープレイを生み出せるのか、なぜ厳しい練習に耐えられるのか、なぜイップスに襲われるのかといった事象を神経学と取材に基づいた事実、その両方の視点から説明がされています。

もちろん内容は、科学的に信頼に足るもので、本の最後の引用文献には20以上もの論文が提示されています!


錦織圭さんや大坂なおみさんら、超一流の"勝てる脳"の仕組み、個人的にはすごーーーく勉強になりました。



特に興味深かったところ

この本の、第二章:脳に生まれるプログラム -練習とモチベーション-で紹介されていた、デリバレートプラクティス(計画的な訓練)とモチベーションに関わる脳の報酬系の話です。


デリバレートプラクティス(計画的な訓練)とは

よく、いかなる分野でもその道のエキスパートになるためには、累積1万時間の練習が必要だと言われていますよね。いわゆる1万時間の法則です。


しかし、ここで素朴な疑問が湧いてきます。

毎日のように自転車を漕いで、近所のスーパーへ買い物に行くおばさま方が、ツール・ド・フランスに出られるレーサーにならないのはなぜでしょう?

何をバカなと思われるかもしれませんが、問いに対する答えを言語化しようとすると、意外と詰まります、、(笑)


そして、この本で紹介されている回答の1つが、フロリダ州立大学の心理学者アンダース・エリクソンが提唱した、デリバレートプラクティス(計画的な訓練)です。


曰く、


1. 明確な目標を掲げ、そこに到達すべく精緻に構成された練習であること。
2. 弱点を克服するために、具体的な課題が課されていること。
3. 上達に向け、正しい方向に向かっているかどうか、第三者によって注意深くチェックされていること。


この3条件で定義されるデリバレートプラクティスを継続できるかが、突出した成果の鍵を握ると記されています。



モチベーションに関わる脳の報酬系の話

とは言え、デリバレートプラクティスの重要性を頭で理解できたとしても、実際には訓練そのものをモチベーションとして長期継続していくことは難しいです。

そこで、この本ではモチベーションが上がる瞬間、つまり脳の報酬系にドーパミンが投射されるタイミングについても言及してくれています。


結論から申し上げると、ドーパミンは未来に得られるだろう報酬に対して反応しますが、その一方で、確実に予見できる未来に対しては反応が鈍くなります。また逆に、予期せぬ報酬を得た時や、不確かな未来に期待を抱いた時には通常よりもさらに多くのドーパミンが放出されます。


例えば、スポーツの場合だと、毎日の永遠の繰り返しに思える反復練習の中に、新鮮な成長を見いだす事でモチベーションが向上します。

思いがけない相手に試合で勝った時や、大会で良い成績を残している自分を想像することでモチベーションが向上します。



ビジネスマンに転用すると、、



何か成果物に対して、その人なりに工夫した点、成長した点を見つけて具体的に褒めて、成長を自覚してもらう。

サプライズで、ちょっとしたお菓子を渡してみる。

新規事業を始める際は、事業が成功した時にどんな素晴らしいことが起きるかということを、スクリーンに映し出すように喋って、想像を掻き立てる。


こうしたことで、仕事相手の脳内にドーパミンを放出できるんですね!(変人)



最後まで読んで頂きまして、ありがとうございます。



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