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何のために画力が欲しいのか

こんにちは。ペガサス大学学長、ペガサスハイドです。

僕は漫画家をしていた経験から、イラストや漫画についての相談を受けることが多いのですが、絵を仕事にしたいとか、絵で食べていきたいと言う多くの人たちは「絵がうまくなりたい」「デッサン力をつけたい」と言います。

そういう相談を受けるたびに「なんで? 何のために?」って思うんです。

絵がうまくなったからって、デッサン力をつけたからって、絵や漫画の仕事がもらえるわけではありません。

絵なんて子供が描いた絵でも、サルが描いた絵でも売れるんです。逆にスーパーうまい絵が描けても、絵で食べていけない人なんていっぱいいます。

それよりも必要なのは「自分がどういう絵師になり、どういう風にお金をもらいたいのか」それを先にイメージする必要があり、そのゴールを設定していないのに、画力だけ上げたって無意味なのです。

自分が表現したい世界観によって、デッサン力なんて全く必要ない表現方法もあるし、逆にスーパー超絶うまい画力が必要な世界観もあります。それも考えず、ただただ「画力がほしい」という人がいっぱいいます。

ある相談者の例を出しますね。こんな悩みを聞きました。

相談者「私はこの1年間、死ぬ気で絵の勉強をしてきました。だけどあるイラストレーターに私の絵を見せたら、君はデッサンの勉強をした方がいいって言われたんです。だけど私はデッサンが嫌いなんです。デッサンなんてやる気がしないんですが、どうやったらデッサンがうまくなりますか?」

ハイド「君は1年間、死ぬ気で絵を勉強したんだよね? 」

相談者「はい。死ぬ気でやりました。でもデッサンは嫌いなんでやってないです。デッサンをやらないと絵ってうまくならないんですよね。 どうやったらデッサンがうまくなりますか?  」

こういう人がいたんです。

僕は思うのです。

こういう人はデッサンなんて勉強する必要はないし、この人のゴールはそこではないと思うんです。

さきほども言ったように、絵なんてデッサン力がなくても売れるんです。この小学生Zombie Zoo Keeperさんの絵は、総額4000万円以上売れています。この絵がデッサン力があるかと言ったらないでしょう。しかしそれでも4000万円以上稼げるのです。むしろこの人はデッサン力をつけた方が売れなくなるんじゃないでしょうか。デッサン力がないからそこ、稚拙な可愛いらしさがあり、愛されるんです。

Zombie Zoo Keeper さん

例えば「ちびまる子ちゃん」のアニメの背景は、わざと稚拙な表現で描かれています。これは「ちびまる子ちゃん」というアニメの世界観は「可愛らしさ」や「子供っぽさ」を優先して表現されているからです。この絵にパースが正しい正確な背景を当てはめるよりも、あえて子供が描くような稚拙な表現にして、アニメの世界全体に「小学生らしさ」を表しているのです。

わざと背景が稚拙に描かれている「ちびまる子ちゃん」

これらを見てもわかるように、画力をつけようとすることもいいけれど、「自分が絵でどういう世界を表現したいか」も考えるべきなんです。

みんな「画力をつけたい」「デッサン力が」「パースが」なんて言うけれど、自分が表現したい世界によって、それを正しく描く必要があるのかないのかを考えてみて下さい。デッサンやパースが嫌いならば、「さほど画力が必要ない表現方法を選択する」という手段もあるということです。

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【 追伸 】上の「ちびまる子ちゃん」の教室の絵を見て、どこがパースが狂っているのか言葉で説明できない人や、「えっ? この絵のどこがおかしいの?」と思う人は、そもそもパースというものをわかっていないことがわかります。あなたは説明できますか? 

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