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「英語ペラペラ」を目指していませんか?実はその思考、危険です

「子どもには英語ペラペラになってほしい!」
「ネイティブ顔負けの英語力をつけてほしい!」
子どもの英語教育を考えたとき、こんなふうに思うのは自然なことですよね。
でもそのペラペラ思想、行き過ぎると間違った方向に進んでしまうかも。

「英語ペラペラ」を目指すことがどうして危険なのか?
今日はおうち英語の隠れた落とし穴についてお話していきます。

ペラペラ思想は子どもにも影響する

「英語ペラペラ」を目指すがゆえに行き過ぎてしまうことが危険な理由、それは子どもへの影響。
親御さんが「英語ペラペラになりなさい」「英語はペラペラじゃなきゃ意味がない」という考えを持っている場合、それはそのまま子どもに影響するものと思った方が良いでしょう。

では、どんなふうに悪影響があるのでしょうか?

早口で話せれば良いと思ってしまう

英語ペラペラな人ってカッコよくて素敵ですよね。
でも、本当にそれだけでしょうか?

もし英語がペラペラで、相手が理解できないほどのスピードで話し続けて圧倒するような態度だったら…?
難しい専門用語などを連呼して、相手がきょとんとしているにもかかわらず話し続けるような人だったら…?

そんな人でも、英語ペラペラで素敵✨と思いますか?

親御さんが子どもに「英語ペラペラになったほうがいい」と言うのは、もちろんそういう意味ではないと思います。
相手への思いやりや相手の理解度を考えて、対等にコミュニケーションを取れる優しさを兼ね備えた上で、ペラペラになったほうがいいという含みがあるのではないでしょうか。
でも、子どもにそこまで推測することはできませんよね。

「英語ペラペラになりなさい」と言われて育った子どもは、文字通り英語がペラペラになれるように努力をすると思います。
ペラペラになった暁には、周りからもチヤホヤされますし親からも褒められてハッピー!この英語力を存分に生かすぞ!という気持ちになり、圧倒的な英語力を披露するでしょう。

でも、もしそこに思いやりのかけらもなかったらどうでしょうか?
英語は話せるけどひとりで話し続けるイタイ人、みたいなことになりませんか?

正直、英語が話せる人は日本を出ればごまんといます。
英語が話せるだけでは全然すごくもなければ、ものすごい才能の持ち主というわけでもないのです。
なのに、相手を思いながらコミュニケーションが取れないなんて残念すぎる…
日本の狭い地域ではもてはやされるかもしれないけど、とても世界中に友達を作ったり活躍したりするポテンシャルは感じないですよね。

英語ペラペラになることだけが大事なことではありません。
ペラペラじゃなくても、相手の相槌を聞きながらゆったりペースで落ち着いて話せる人になるほうが、人としてずっとずっと大事。
英語力の前に人間力。それを忘れずにいたいですね。

英語はペラペラだけど他に何もない人になってしまう

前の項目でも少しお話しましたが、英語がペラペラなだけでは正直ちょっとしたアピールポイントにしかなりません。
英語が話せる人だったら、世界中を探せば星の数ほどいるからです。

英語がペラペラになることは大事かもしれませんが、そこに力を入れすぎてもっと基本的なところを見落としていないか、定期的に立ち止まって考える機会を持つことが大事。

たとえば国語。
母国語である日本語を聞き、読み、理解する力が十分についているか?
抽象的な指示(あれ取って、とかコレをあそこに戻して、とか)でも全部を読み取って頭で整理することができるか?
国語力がつかなければ、英語力も伸びません。
日本で暮らしていくなら、国語力をまず大事に育んでいきたいですね。

そして、算数。
言葉の壁を越えて概念で数字を学ぶので、世界共通の科目になります。
英語や国語とは違う分野になるので、英語とは別に深く学ぶ必要のある科目の1つ。
特に小学4年生くらいまでに習う算数の知識は社会でも役に立つものばかりなので、スモールステップでも着実に身につけることが大切です。

日本人が知識として欠落しやすいのが、社会。
日本の歴史や時事問題、政治経済、宗教についても、外国人から質問されて「全然答えられなかった」という人がとても多いんです。
かくいうわたしもその1人。
幼少期から英語が好きで英語しかやってこなかったので、算数はおろか社会なんてテストで暗記した部分もほとんどが抜け落ちてしまっています。
文系は大の得意でしたから、国語や英語は苦労せずとも楽しんで学んでこれたのですが、それ以外の科目はその場しのぎでどうにかなってしまったんですよね。

今さら悔やんでも仕方ないですし、個人的には今英語が染み付いた人生になったことを1ミリも後悔していないので、他の科目は捨ててしまっても仕方なかった!と開き直っていますが(笑)小学生の子どもの学習状況を把握するのと同時に全てきちんとやり直すつもりでいます。

今ですか?数字を見ると蕁麻疹が出そうなほど苦手意識があるので、小1の「くりあがりのある足し算」の宿題の丸付けで苦戦しています(笑)

というふうに、英語はペラペラだけど基礎科目や基本的な母国語の運用能力はついていなかった…!とならないためにも、ペラペラ思想はほどほどにしたいところです。

わたしの場合親がペラペラ思想だったというわけではなく、ただ単に勉強が苦手な人が英語だけずば抜けていたというだけの話なのですが。

英語力で人を判断するようになってしまう

日本人にとって英語はある種コンプレックスのような存在。
英語教育に力を入れれば入れるほど、「英語ペラペラな方が優れている」「英語がペラペラなら人より上に立てる」という言い方をしてしまっているかもしれません。

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