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「トーコーキッチン」のお話~サービスを作って、働く人が楽しそうに仕事をする状態になる~

昨日は、「head研究会不動産マネジメントTF」という勉強会?に出席させていただきました。スピーカーは、先日、NOTEにもアップさせていただきました「トーコーキッチンへようこそ」の著者である東郊住宅社の池田峰社長

トーコーキッチンは、青山学院大学、麻布大学、桜美林大学が立地する淵野辺エリアで、東郊住宅社が管理する約1800室の入居者向けサービスとして、朝食=100円、昼食・夕食=500円で地場食材を使う手作り料理を提供する食堂。

食事付き学生マンションに対する需要の高まりや物件の経年劣化と空室増加による家賃下落傾向などの問題に対して、物件やオーナーに依存せずに全ての管理物件の資産価値を向上させる手段として開設した。今では食堂の存在が動機で入居する人が増え、入居率も向上したといいます。

ただ、トーコーキッチンは、不動産会社さんからの見学は多数訪れるようですが、なかなか「マネ」をする方がいらっしゃらないそうです。

「いいモデルだと思うのだけどなぁ」とか「私が広告会社出身=異業種からの発想だからかな」という言葉を多くおっしゃられていたのが、とても印象に残りました。

「マネをされる」というところにつながるのですが、見学者のご質問が「食堂の収益性」に関する問いが多いそうです。「薄利」である「不動産管理」という商品の中で、「コストを削って、削って」ということを日々一生懸命やって「利益の確保を!」と行っている管理会社の皆さんの頭の中では、管理会社ののサービス(料金制ですが朝100円、昼夜500円と安価ですのでサービスと定義)として「入居者向けの食堂」をやるというのは、なかなか実現が難しいのかもしれないというのはワタクシにもよく理解できます。

食堂単体では利益は出ない、でも、ビジネスへの波及というところでは、


①入居者との関係性が良くなる
 「知るは寛容の始まり」→夜間対応やクレームが減った
②入居者獲得のコスト減
 入居者が新規客を紹介してくださったり、長期入居していただけることに   よる新規獲得コスト減、空室ロスの減
等の本にも書かれているお話をしていただきましたが、
池田社長のお話の中から漏れてくる
食堂を運営していくなかで、日々、想定してなかった「効果」が色々発見されて、そこから、新たなサービス・商品のヒントが思い浮かんだりして、どんどん成長・効果の波及が広がっていっている。そして、何より、それが「楽しい」という感じが強く伝わりました。

この、入居者(お客様)への「サービス」を作って、「ありがとう」「いい口コミ」が増えることによる「喜び」だったり、「返報性」による商売への波及だったりして、経営者・スタッフの皆さんが「楽しそうにお仕事されている」という状態は、前職(旅館・ホテル営業)時代に評価の高い宿泊施設で感じたものに通じているものがありました。

お話にはなく質問をするのも忘れてしまったのですが、上記以外のトーコーキッチンがあることのメリットとして、「社員の定着・モチベーション」というのもあるかと思います。不動産賃貸業では、入居者さんからの連絡は、トラベルやクレームがほとんどで、入居者さんとの距離感を詰めたがらないという中で、入居者さんとの関係性が良好となり、クレームが減っているというのは「働きやすさ」に通じると思います。

他にも色々と学ぶことが多い会でしたが、池田社長とSNSでつながらせていただき、是非「トーコーキッチン」へ視察に伺えればと考えております。その機会に、また書かせていただければと思います。



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