ふぁるめどインタビュー_キャリアコンサルタント編

突然ですが!インタビューしてきました!

この度、私がキャリアコンサルタントを取るにあたり、最も影響を受けたと言っても過言ではない方、たねちゃん(@tanechan)さんにインタビューしてきました!

久しぶりにnoteを書きますが、これからも薬剤師として各方面で活躍されている方を中心にこうしたインタビューをしていきたいと思っております。

内容はインタビュー形式で書いてあります。
キャリアコンサルタントってどんなことをしてくれるの?ということを知ってもらえる機会になったり、これから就活を控える学生さんや若手の薬剤師さんに役に立てていただけると嬉しいです!

基本情報

たねちゃん 写真

たねちゃん@tanechan
調剤薬局の2代目経営者。兵庫医療大学を卒業後、MRを経験したのち、実家の薬局を引き継ぐ。同時に母校のキャリア教育にも取り組んでいて、国家資格キャリアコンサルタント※1を取得し、母校の兵庫医療大学にてキャリア支援の会を設立。
医療業界、薬剤師や薬学生のキャリア、会社経営についてのブログを運営中(http://nisokunowaraji-ph-cc.blog.jp/)。

※1キャリアコンサルタントとは
「キャリアコンサルタント」は、平成28年4月より国家資格になりました。キャリアコンサルタントは登録制の名称独占資格とされ、守秘義務・信用失墜行為の禁止義務が課されています。キャリアコンサルタントでない人は「キャリアコンサルタント」やそれと紛らわしい名称を名乗れません。
 日本キャリア開発協会HPより

今の活動内容について教えてください
キャリアコンサルタントとしては、大学でのキャリアに関するセミナーやイベントの企画、卒業生との交流会の開催をしたり、大学の先生が受け持たれているゼミのコマを借りて、ワークショップをしたりキャリアに関するワークをやったりしています。
学外的な活動としてセルフキャリアドックを導入されている企業での面談をしたり、薬学生向けの合同説明会などでの公演をしたり、あとはキャリアコンサルタント養成講座のサポートにも取り組んでいます。

また、薬剤師としても、ほぼ毎日いろんな店舗に入っていますし、学校薬剤師などの業務にも取り組んでいます。
経営者としては、経理などの専門的なことは士業の方々にお力をいただいていますが、従業員のシフトの調節、定期的な従業員との面談をしたり、労務士さんとの面談をしたりしています。

薬学部、MRを目指したきっかけは何ですか?
薬学部に行くってことはあんまり考えていなかったのですが、実家が薬局だった、ということや、とにかく手に職を、と思い薬学部に進学しました。
実際入ってみても私と同じように手に職を付けたい、と思って薬学部に入ってきた同級生は多かったと感じています。

新卒での就職にあたり、最初はMRになったきっかけは何ですか?
薬局経営をしていた方に、就職に関する相談をしたときに、将来的にも医師と密にコミュニケーションを取っていくつもりなら最初はMRがいいんじゃないか、とアドバイスをいただいて、Drとのコミュニケーションの取り方や人との接し方を学びたいな、と思ってMRを目指したことがきっかけでした。
就職活動を始めてからはMRの魅力に取り込まれていってました。
将来的には仲良くなった医師と一緒にやろう、といった話が出たりしたらいいな、と思ったりしたのも1つの理由です。
薬局実習で学んだ経験をもとに疾患領域を絞って就職活動をしたこともありますが、今思えば実習での経験は自分のキャリア形成の価値観に大きな影響を与えていたな、と感じています。

なぜキャリアコンサルタントになろうと思ったのですか?
最初のきっかけは大学に社会人1年目から話をしに行って、自分の就職活動での経験談を話したり、MR就職希望者の学生に向けた支援をしているうちに、自分の主観だけを学生に伝えていくのは怖いな、と感じるようになったことです。
その中で、今後継続してこうした支援を続けていくにあたり、1人の主観ではなく専門家が唱えるキャリア理論や客観的な意見、専門性を身につけるにはどうしたらいいか、と考えた時に見つけたのがCDA(キャリア・デベロップメント・アドバイザー)※2 の資格でした。


※2 CDA(キャリア・デベロップメント・アドバイザー:Career Development Adviser)とは、米国のキャリアカウンセラー養成プログラムを、実務対象の資格として日本向けに構築して導入したもので、NPO法人日本キャリア開発協会(JCDA)が資格認定を行っています。
将来ビジョンも含めて「その人らしい生き方・働き方」を支援することに特色を持ち、全国の各方面で16,000人以上が活躍しています。
日本マンパワー社HPより引用

今思えば当時は、薬剤師以外の違う仕事もしていきたいな、とぼんやりは思っていたので、ちょうどそのタイミングにマッチしたんじゃないかな、と思います。

当時のCDAは社会人経験3年以上ないと受験資格がない、という制限があったので、諦めかけていたんですが、大学でのキャリア支援を続けていくうちに、CDAがキャリアコンサルタントとして国家資格になったという話を聞きました。
改めて確認したところキャリアコンサルタント試験にはそうした社会人経験年数などの制限はなく、必要な講習を受けることで資格が得られるということを知り、国家資格になるくらいに国が力を入れる資格なのかと思い、取得を目指しました。

(一般的な)キャリアコンサルタントはどんなことをしているのですか?他のカウンセラーとはどんなところが違いますか?
キャリアコンサルタントが活躍する場としてはハローワークなどの行政機関、大学の就職課、それから企業の中というのが一般的かと思います。
基本的には一対一の面談がメインで、あとは研修などを受け持つ場面もあるでしょう。

また他のカウンセラーとキャリアコンサルタントの違いは、悩みによっては範囲が被ることがあるかもしれませんが、カウンセリングの技術だけでなく、キャリア関連の知識の活用や自己分析などのツールを扱えるのが最大の特徴です。

卒業してからもそうして学生に対して就活支援やキャリア相談を行っていたのには何か考えがあったのですか?
たまたまではあるんですが、私の出身である兵庫医療大学の1期生であったということもあり、大学でそうした支援が自分の時には受けられなかったことや、他大ではそうしたキャリア支援の制度があると聞いていたので、自分の大学にもそうした支援は必要だろうと思ったので取り組もうと思いました。
また、新設大のいいところにもなると思うのですが、そうした取り組みに対してまずはやらせてみましょうか、という風土があったことも続けられた理由だと思います。

少し話外れますが、そうした活動を続けている中で、「薬剤師の転職って多かったり、すぐ辞めてしまったりすることがあるよな」と感じることがありました。
転職することが悪い、とは思っていませんが、転職したものの想像と違うやりたいことができないなどしてすぐ辞めてしまう、といったことになるのであればもう少ししっかり準備した方がいいのではないかな、と。
そうしたことも何か支援ができたらな、と今でも思っています。

キャリアコンサルタントの活動をする上でのやりがいは何ですか?
自分の情報が役に立ったときとか、支援した相手からありがとう、という言葉をもらえた時に流行っていてよかったな、と感じます。
キャリアコンサルタントとしての「傾聴」とは相手の言葉に対してコンサルタント側が決めつけずに話を“聴く”という意味を持っていて、相手が言いにくいことも寄り添って話せるようになってくれることが嬉しいな、と思いますね。
取得の理由となったように、キャリアの理論に則った話ができるようになったことや、薬剤師のキャリアに対して理論を取り入れてセミナーができたりすることは大きいです。

逆に大変なことは?
あんまり大変だと思ったりすることはないです。しかし、薬剤師にも言えることですが、何もしないとどんどんスキルが錆びていってしまうので、スキルを維持・向上させるにあたり研修に参加したり、自己研鑽を怠れないところが大変だなぁと感じますね。

薬剤師のキャリアについて課題だと思うことは?
薬剤師としてのキャリアも5年目になりますが、本当にその時その時で課題って変動しているように感じます。
自分の思うキャリアの問題って実際は違うと思っていて、情報の入り方によっても違うと思います。
経営者の人から見た昔の薬剤師の問題というのは、マネジメントとして扱いづらい人が多かったり足元見て辞める人が多かったりという印象ではないでしょうか。
その積み重ねが転職しやすくて、どこに行っても業務が一緒だった、ということが問題だったのではないでしょうか。
それからちょっとずつ薬局の業務や意味が変わってきて、地域支援や在宅の加算がつくようになって、薬剤師の役割が変わってきているように思います。
それに合わせていかに柔軟にキャリアを形成するようにするか、というのが大事だと思います。
当時の薬剤師の職務的な役割ってどうしたらいいのか、袋詰めしてたらいいんでしょ、みたいなのをどうにかしましょうよ、薬剤師の役割をもっと増やしましょうよ、というところから、これからは在宅でやっていきましょ、となってきていますが、私の印象にはなりますが現場レベルでそうした危機感が薄いんじゃないかな、と。

たねちゃんさんがキャリアコンサルタントとして関わっていきたいことは?
私は、薬剤師としてこうあるべき、という形は今はありません。
薬剤師同士でけなしあう、のではなくて、自分一人がどうしていきたいか、ということに対してサポートしていきたいと思っています。

何か困っていることがあって、それが例えば就職のことでも、ただ愚痴を聞いてほしいでも、何か情報が欲しいでも、いろんなレベルの困りごとであっても相談してもらえて役に立ちたいですね。
特別どういう人にターゲットにしていきたい、ということはなくて、今のところは学生や相手が求めていることに対して役に立てればいいなと思っています。
今の学生が求めていることと、私が学生だった頃に知りたかったことは全然違ってきているな、と肌で感じているので、その時代のトレンドに乗り遅れないようにしなければいけないな、と思います。

どんな時にキャリアコンサルタントを頼ってほしいですか?
個人的には自分の人生で何か困ったことがあればまず誰かに相談する、それがキャリアコンサルタントであったら尚良しと考えます。

悩みをアウトプットするだけでも意外と簡単に解決したり、頭の整理に役立ちます。

また新卒の就活、転職、入社して1年目や3年目といった節目でキャリアコンサルタントと面談するのも、振り返りの役に立つと思います。

今後の自分のキャリアについて教えてください。
直近の目標としては、母校の教務の過程にキャリアの授業を入れたいです。他の歴史のある大学では、すでにそうした取り組みがあるとも聞いているので、キャリアデザインについて、の授業を大学の1コマにでも入れることができたらいいですね。
長期的には、まずは兵庫医療大学自体を盛り上げたいですね。キャリア支援の会って面白いって思ってもらったり、異職種の人をセミナーに呼んで話をしてもらったり、とにかく兵庫医療大学って面白いことやってるねって思ってもらえるようにしていきたいです。
薬剤師や薬学部の学生さんで困っている人の役に立てる存在であり、兵庫医療大学っていう大学がもっとブランドとしてできていって、兵庫医療大卒の人っていいね、と思ってもらえるような雰囲気を作っていきたいな、と思っています。

今後就職活動を控えている学生さんや、若手の薬剤師さんに向けてキャリアプランについてアドバイスをお願いします
キャリアプランについてイメージがわかない、という人にはまずインプットを増やすこと、人と会ったり、情報を仕入れたりして自分が興味あることを見つけたり、ロールモデルになる人を探すことがいいのではないでしょうか。
もう一つは、やりたいことがすぐ出てこないなら、逆にやりたくないことをピックアップしていってどういうことだったらやっていけるかを考えていくこともいいと思います。

若手の薬剤師さんだと、結構迷うところがあると思うのでまずは知りたい情報を入手することです。私自身最近Twitterを始めましたが、流れている情報の中で今どんなことが求められているのか、有益な情報を発信してくださっている先生方もいらっしゃいますし、日経DIなどのメディアの媒体に触れるなどすることが大事です。

やりたいと思った時に、ちょっとした小さいことでもやっておかないと、どんどん体が重くなって動かなくなるので、例えば薬局を開設したい、と思っていきなり案件探しするよりも、まずは薬局経営者に話を聴いてみよう、などして情報を集めるようにしていたら、そのうち本当にやりたいことが見つかるのではないでしょうか。

何かを変えようと思ったら何か動いてみて、違っていたらまた違う方向性に動いたらいいので、やっていなかったことをやってみる、ということだけでもすごい進歩だと思います。


インタビューは以上となります!
少しでもキャリアコンサルタントについて興味を持ってもらえたり、今度キャリアコンサルタントに相談してみようかな?と思えるきっかけになれば幸いです。



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?