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雪
スキーを再開した。
高校生以来だから25年ぶり。
こうして、息子2人がリフトに乗っていると昔の自分を思い出す。
親に連れていってもらったこと、仲間と電車でいったこと。駅を降りてからは、スキー場までタクシー相乗りの人を探したり、たまには歩いたり。それが中学生の時だったから、今の長男と同い年。
スキー場で流れ続けているFMラジオ、ナイターの照明に映し出される自分の影。
かつて夢中になっていたことを、この歳になってまたやりたい。何がきっかけだったかは覚えてないけれど、とりあえずブーツだけ買ったのが数年前。
それから年に1アイテムずつ揃えていった。
地元の仲間は既にスキーを再開していた。
高校までスキーを履いて、大学でスノーボードに乗り換えた同じ仲間達は、スノーボードではなくスキーを選んだ。
みんなが同じ理由かはわからないけれど、僕の場合は、自分の思い出の続きと、自分の子供らとの新たな時間の共有。
ある年、一度だけ僕と仲間2人で地元のゲレンデに行った。それぞれの子を連れて。
基本は子供の滑りに付き添うから、自分達の滑りは後回し。
でも、最後に1本だけ行きたいよな。ってことになって、子供らにはレストハウスで待っててもらった。
3人でトリプルリフトに乗った。
懐かしいような、ずっとこうしてきたような、とても心地よい。
なんかグッときてしまった。
膝下から垂れ下がる仲間の板。
この光景を当時、何度見てきたことか。
だから、再開にはスキーを選んだのか?
小学校から高校まで、教室からは雪を被った八ヶ岳が見えていた。
毎日見ていても飽きずにいつも美しかった。
雪がこの先、かつてのものとならないように。
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