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アトピー性皮膚炎に対する早期プロアクティブ療法において、ステロイド外用薬とタクロリムス外用薬で差があるか?|2024年6月24日

■ ブログで公開した内容の深掘りです。

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ステロイド外用薬は抗炎症作用があるものの、皮膚バリア機能を低下させる可能性があり、長期治療に課題があります。

■ アトピー性皮膚炎は、皮膚バリア機能が下がり、皮膚の炎症が悪化していき悪いサイクルに入っていく病気です。




■ 皮膚バリアが破綻し、皮膚の炎症がひどくなると、さまざまなアレルギー疾患のリスクが上がり、たとえば食物アレルギーや気管支喘息の発症リスクが上がります。

■ すなわち、外用治療により皮膚バリア機能を補強し、皮膚の炎症をすくなくする必要性があります。

■ しかし第一選択薬であるステロイド外用薬は抗炎症作用と症状を軽くする効果がありますが、皮膚バリア機能を下げる可能性があります。
■ タクロリムスやピメクロリムスといったカルシニューリン阻害薬、すなわち免疫抑制薬外用薬は、Tリンパ球やランゲルハンス細胞といった細胞の機能を抑制し、炎症を改善させる作用を発揮します​​。
■ これらは皮膚バリア機能を悪化させずに炎症を改善させます。すなわち、皮膚の菲薄化を引き起こさないため、長期治療に適しています​​。

■ III群クラスのステロイド外用薬は4週間の使用で、すでに皮膚バリア機能を下げる可能性があるのです。

■ 最近、弱めランクのステロイド外用薬とタクロリムス0.03%軟膏を比較した研究をご紹介しました。


■ 一方で、現状のタクロリムス軟膏は、2歳以上に対して使用されています。2歳未満に対するタクロリムス軟膏の有効性を示した報告はほとんどありません。
■ そのようななか、1歳以上の乳幼児を対象とした長期比較フォローアップ研究がありました。


※日本の保険診療として、タクロリムス軟膏は2歳以上の適応であり、しかも0.03%のみが使用可能です。0.1%は高校生以上の製剤です。
※全文を確認しましたが、オープンアクセスではないので、深堀りして読んだ内容を提示しておりますが、図や表そのものは提示しておりません。

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