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牛乳アレルギーの児に低アレルゲンミルクを与えると、栄養状態が改善するかもしれない|2024年7月21日

■ ブログで公開した内容の深掘りです。

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食物アレルギーの増加に伴い、牛乳アレルギー児への代替飲料の栄養価比較が重要視されてきています。

■ 食物アレルギーは日本でも増えているアレルギー疾患です。つい最近、日本の6歳以下の小児では、この10年で1.7倍に増えているという報告もあります。

Yoshisue H, Homma Y, Ito C, Ebisawa M. Prevalence of food allergy increased 1.7 times in the past 10 years among Japanese patients below 6 years of age. Pediatric Allergy and Immunology 2024; 35:e14192.


■ そのなかでも、牛乳は世界でも多い食物アレルギーです。
■ 牛乳アレルギーは寛解しやすいとはされていましたが、2013年に報告された自然歴を検討した研究では、必ずしもそうともいえないようです。



■ 牛乳や乳製品は、タンパク質、脂肪、オリゴ糖、微量栄養素(カルシウム、リン、リボフラビン、亜鉛、ビタミンB12など)の供給源となり、除去のみでは成長へのリスクが出てきます。

■ そのような背景もあり、牛乳アレルギーのある子どには、加水分解乳(低アレルゲンミルク)や、代替ミルクを考慮することになります。
■ 海外のガイドラインでは、2歳以上の牛乳アレルギー児には、カルシウムを強化した植物性飲料(PBB)(大豆、オーツ麦、アーモンド、ココナッツ、ヘーゼルナッツなどから製造)、5歳以上ではライスミルクも推奨されています。

■ しかし、これら植物性飲料と加水分解乳が同等の栄養があるかどうかは十分なデータがありません。
■ そこで、PBBと加水分解ミルクと栄養を比較した検討が、最近、欧州小児アレルギー免疫学会雑誌(PAI)に報告されていました。

※オープンアクセスではないので、図などは引用していませんが、論文を深堀りし、後半は管理人の考察を多めに付記しました。

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