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2023年7月3日 英国で市販されているアトピー性皮膚炎に対するさまざまな保湿剤は、どれが有効性が高いか?

■ ブログで公開した内容の深掘りです。

( 本記事は、メンバーシップ(スタンダード・アドバンス)の記事です。メンバーシップの概要は、こちらをご参照くださいm(_ _)m)


アトピー性皮膚炎に対し、さまざまな保湿剤が市販されているが、どのような保湿剤がより有効かに関する報告は十分ではない。

■ 外来でよく尋ねられる質問に、『どの保湿剤がよいでしょうか?』というものがあります。
■ しかし、なかなかその質問にクリアカットにお答えすることは難しいものです。
■ というのも、世の中にある市販の保湿剤は160種類以上もあり、個別に調査することが難しいからです。

■ それでも、ある程度の研究結果が公開されるようになってきています。

■ そのひとつを共有します。



この論文でわかったことをざっくりまとめると?

成人のアトピー性皮膚炎患者49人に対し、尿素とグリセロールを含む新規保湿剤(尿素-グリセロールクリーム:UGC)と、グリセロールを含む保湿剤(グリセロールクリーム:GC)、保湿剤を含まないパラフィンクリーム(PC)、無治療対照(NTC)にランダム化し、1日2回前腕の4つの部位のいずれかに塗布(4番目の部位は未治療のコントロール)し、4週間の治療を行って、皮膚の状態を調べたところ、

✅パラフィンベースの保湿クリームは、皮膚バリアに影響を与えず、皮膚の天然保湿因子を低下させた。
✅尿素・グリセロールクリームは皮膚バリア機能を有意に向上させ、刺激から保護した。
✅グリセロールクリームはパラフィンクリームよりも優れた性能を示したものの、尿素・グリセロールクリームほどではなかった。


以下は、論文の解説と管理人の感想です。

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noteでは、ブログでは書いていない「まとめ記事」が中心でしたが、最近は出典に基づかない気晴らしの文も書き散らかしています(^^; この記事よかった! ちょっとサポートしてやろう! という反応があると小躍りします😊