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無料で読める、小児アレルギー科医のゆるい日記

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出典を大事にする小児科医の、出典にこだわらない日々。
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お子さんのアレルギーに悩んでおられる保護者、診療に携わる医療者の方々へ。

アトピー性皮膚炎は、予防できますか? もし、お父さん、お母さん、ごきょうだいがアトピー性皮膚炎で苦しんだ経験があるならば、これから生まれてくるお子さんに発症するかもしれないアトピー性皮膚炎を予防したいと思いませんか?  「新生児期から保湿剤を全身に使うと、生後32週(=約8ヶ月)までのアトピー性皮膚炎の発症を32%下げる」というエビデンス(証拠)がありますと言われるとどうでしょう。この報告は、2014年10月に日本から発表されています。 そして、今、徐々に「生まれてから早

メンバーシップ、はじめました。

当直明けです。36時間くらい働くと、数日はひびいてしまう年齢ですね。 それはさておき… noteメンバーシップを始めようという記事を公開してからはや3ヶ月。 ようやく、メンバーシップへの移行を開始しました。 こんな目標を掲げました。 最近、メッセージなどで、攻撃性が高かったり、個別の病状を尋ねられることが多くなり…ブログの更新がちょっと辛くなってきていました。 しかし、ブログを勉強の積み上げとして、自分自身への還元ともしてきたのも事実です。 そのため、ブログの内容

業績をまとめました

業績をまとめないといけなかったのですが、きちんと今までまとめたことがなくて大変でした… なくさないようにここに置きます。 医学書に書いた総説もあるのですが、もう遡るのが大変でピックアップをあきらめました。 さらに、一般向けの記事に関してここに挙げ始めると、行が2倍くらいになるので割愛しますが、今後、ここにためていくかもしれないです。 論文は多くはないです。これから頑張らないといけません… 1. 論文 1)Kobayashi T, Nishina Y, Tomoi H, H

noteメンバーシップへの移行を考えています

今回は、ちょっと抽象的なお話かもしれません。 2016年に無料ブログで医療情報の発信をはじめてから、はや6年を超えました。 そして、さまざまな媒体の方々から、情報発信の場をいただき、毎日新聞やYahoo!個人まで広く発信するプラットフォームも増えてきました。 私は、医療情報発信は『だれに届ける情報なのか』を想像しながら行うことが大事と考えています。 そしてその情報発信が届いた方々に、総合的な結果として情報によるベネフィット(恩恵・利益)がどれくらい生じるかを考えること

夜の救急外来からの帰途で…

夜間の一次救急からの帰宅中です。 一次救急というのは、新潟大学小児科学教室の公式アカウントで述べられているように、基本的に1日~2日の処方しかだせないような、とりあえずの応急処置をしたりする場所です。 とりあえず、夜間様子をみることができるか、入院する必要があるかなどの判断をする感じですね。 この記事を書いている今日、東京での新型コロナの感染者が3000人を超えました。 そんな中、こんなツイートをしました。 海外の医療がなんとかなっているのに、日本では難しい理由はな

全集中!

むかし、とんでもないシステムを紹介しているテレビ番組があった。 医者にセンサーを取り付けて、モニター上で動いていないと『働いていない』と判断されて、『○○に仕事をしに向かってください』と指令が飛ぶ…そんな内容だった。 いや、そんなシステム、人間扱いしてないよね。 『動いていない』ときでも、調べものをしていたり、書類を書いていたり、もちろん疲れて息抜きをしているかもしれない。 たたでさえ、外来をしているとき、なにかの医学的処置をしているときは、めちゃくちゃ集中している。

ネオフィリンの夜

20年くらい前、まだ吸入ステロイド薬が適応になっていない時代。 外来をしながら年間1000人近くの入院患者さんを診つつ、毎日オンコールで呼ばれ全科当直もしながら、病院のそばで過ごしていた時代。 当時の喘息治療の主役は、テオフィリンだった。 テオフィリン。 カフェインの親戚みたいな薬といえばいいだろうか。 喘息患者におけるカフェインの効果 血中濃度をあげれば、『多少』気管支拡張効果があるという薬だ。しかし、有効な血中濃度と中毒濃度がすごく接近している、扱いが難しい薬

フリーザで満足しよう

ドラゴンボールの『戦闘力』は、罪作りなシステムだと思う。 フリーザも魔神ブウも、『すげえ強い』というイメージだけど、フリーザの戦闘力は53万で、ブウは1兆とかになるらしい。 そういう意味では、魔神ブウとフリーザの戦闘力の差は、フリーザと銃を持ったおじさんの戦闘力の差と、たいした違いはないことになる。 インフレって怖い。 そんな、『インフレ』は多くの場面でみる。倍返しがいつの間にか1000倍返しになっていたとかね。 刺激をより強く。 これができたら、じゃあ次も。 がん

エビデンスとナラティブのハザマで①~アレルギー始めます~

新生児から逃げ、アレルギーを専門にしようと思い始めたのは医師5年目の頃だった。僕は最初、新生児を専門にしようと思い小児科医になった。 しかし医師4年目にNICUの勤務で体を壊してしまった。 体調が回復しても、未熟児あがりの体では長くはできないのではないか。 『新生児医療は向いていないな』と思い込んでしまった。 自分が専門にしたい分野が分からなくなっていた。 もともと、それほど自分に自信を持っているほうでもないのに、もっと自信をなくしていたのだ。 そしてその時期、ちょうど

エビデンスとナラティブのハザマで②~冷やし中華はじめました~

【過去記事】 『冷やし中華はじめました』『標榜』とは、『私はこの科の診療できますよ』と掲げることだ。 医師は、どの科でも標榜はできる。 私が『消化器外科医』であるとか『病理医』であるとか言うことも出来なくはないわけである(これらは専門性が高すぎてとてもじゃないけど僕には言えないけれども)。 『アレルギー科』は多くの小児科医が標榜している。 『アレルギーはだれでも診れる』と思われているかのようだった。 もちろん、語弊だ。 でも私は、『アレルギーやってます』と周囲には

エビデンスとナラティブのハザマで③~囚人の穴掘り。~

【過去記事】 重症アトピー性皮膚炎の津波。 少し時間軸は遡る。 気管支喘息に対する治療は、吸入ステロイド薬で戦況が大きく変わっていた。 それははじめてペニシリンを手にした医師達の気持ちだったかもしれない。 (もちろん、ペニシリンがその後耐性菌により万能感が薄れたように、吸入ステロイド薬もまた、万能ではなかったのだがその話は別の物語、、、) 実は、その時期、気管支喘息以上に、重症アトピー性皮膚炎のお子さんが増えている時期だった。 1992年に ニュースステーションで

エビデンスとナラティブのハザマで④~エビデンスという凶器~

【過去記事】 エビデンスブームがきた『エビデンス』ということばは、医療分野ではよく使われるようになった。 一般には、医学および保健医療の分野では、ある治療法がある病気・怪我・症状に対して、効果があることを示す証拠や検証結果・臨床結果を指す(Wikipedia) いまでは普通に使われ、皆が知っている言葉だ。 でも、20年前は最先端の考え方だった(厚労省がEBMにもとづいたガイドラインなんて言い出したのが1999年だ)。 広大な宇宙のような医学のなかで、どこかに足をつけて

出典しばり。

以前は、noteを『まとめもの』を置く場所にしていたのですが、最近はまとめものを書かせていただくことが増えました。  Yahoo!個人、メディカルトリビューン、メディカルノート、メドピア、MEDLEYなど。医学関連サイトを制覇するんじゃないかってくらい多くなってきました。 多いですよね。 出典をいれこんで書くのって、私のように浅学な身としては時間がかかって大変です。 ちょっと前まで、noteを出典込みでまとめた記事の書庫にしていたのですが、最近は書いた先からこれらに置

セブンセンシズに目覚めたりはしない

ある外来で、もともとちょっと落ち着きのない子が満面の笑みで入ってくる。 『あのさあ、にゃんこ大戦争って知ってる?』 『お?なんだなんだ、にゃんこ戦争って?』 『えとさあ、ネコ缶があってさー!』 ・ ・ ・ 実はこれは診察だ。 けっして遊びではない。 お子さんが、どんなコミュニケーションをとってくるか、発達がどれくらいになってきているのか、一挙一投足をみているのだ。 前回より、診察室の中を歩き回る様子も、落ち着きがではじめている。 けっして遊びではない。 ある