セブンセンシズに目覚めたりはしない
ある外来で、もともとちょっと落ち着きのない子が満面の笑みで入ってくる。
『あのさあ、にゃんこ大戦争って知ってる?』
『お?なんだなんだ、にゃんこ戦争って?』
『えとさあ、ネコ缶があってさー!』
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実はこれは診察だ。
けっして遊びではない。
お子さんが、どんなコミュニケーションをとってくるか、発達がどれくらいになってきているのか、一挙一投足をみているのだ。
前回より、診察室の中を歩き回る様子も、落ち着きがではじめている。
けっして遊びではない。
ある外来に来た、腹痛のお子さんは、すこーし、ゆっくり歩いて入ってくる。
なんとなくすこーし、前かがみかもしれない。お腹を触診すると、なんか変だ。ちょっとこの場所でこの圧でこの顔のしかめ方は…
すっとズボンをめくると…
あった。精巣捻転だ。
腹痛でも、お腹が原因じゃないなんていくらでもある。こんなの、ハナシを聞いてもでてこないんだ。
オンライン診療が、解禁になるそうだ。
▷オンライン診療 原則解禁へ(Yahoo!ニュース)
『海外ではオンライン診療が普通の診療となってます。中国は…』
もちろんわかる。それはそれで事実なんだろう。
オンラインで完結できるのなら、コロナのこともあるし、患者さんだって医療者だって安全だしね。便利でもあるかもしれない。
でも。
診察って『五感を駆使するもの』じゃあなかったっけ?
オールドタイプの私は、そんな風に習ったよ。
毎回、外来では五感を全開にして、拙い話術も使いながら、『ああ、危なかった、見逃すところだった』なんて思いながら診療してる。外来が終わったときなんて、毎回ぐったりだ。
それでも百戦百勝なんて、いまだに言えない。五感のうちのいくつかを閉じても、今の診療の質を維持なんてできるなんて到底思えない。
セブンセンシズに目覚めて勘が冴え渡るのは、星矢とアムロくらいじゃないかと思うよ。
ニュータイプじゃないオールドタイプは、そう思うよ。
noteでは、ブログでは書いていない「まとめ記事」が中心でしたが、最近は出典に基づかない気晴らしの文も書き散らかしています(^^; この記事よかった! ちょっとサポートしてやろう! という反応があると小躍りします😊