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毎日童話『太陽くんと北風くん』

太陽くんと北風くんは幼馴染だ

幼稚園から高校まで同じ

産まれた場所まで同じ

正真正銘の幼馴染だ

太陽くんは勉強もスポーツも得意で

同級生だけでなく先輩や後輩からも人気者

北風くんはコミュニケーションが苦手で

学校で喋れるのは太陽くんだけだ

そんなある日太陽くんが問題を起こしてしまった

学校に行けなくなってしまった

問題は既に解決しているのに

同級生も許しているのに

行けなくなってしまった

北風くんは太陽くんとしか喋ってこなかったが

太陽くんがいないことで

同級生が北風くんに喋りかけてくれるようになった

でも北風くんの中では

やはり太陽くんが必要だった

北風くんは太陽くんを毎日迎えに行った

でも太陽くんは勇気が湧いてこない

なんとか勇気を持つように北風くんは同級生にあるお願いをした

「僕と喋るのを止めてください

そうしないと太陽くんの帰る場所がないから

僕の代わりに迎えに行ってください」

同級生は北風くんと喋らなくなった

喋らなくなった同級生達が太陽くんを毎日迎えに行くようになった

それから数日すると

太陽くんは学校に行けるようになった

北風くんは喜んだ

「また元に戻れるぞ」

しかし、元には戻らなかった

太陽くんの周りにも同級生が集まるが

北風くんの周りにも同級生が集まってくれるようになったのだ

太陽くんの暖かい空気で集まってた同級生たちは

北風くんの風で太陽くんの暖かい空気を運んでくれている事に気付いたんだ

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