考えるな、感じるんだ「I'M OK」LittleBig

 ロシアのレイヴバンドLittleBigの紹介記事を書いて久しい。相も変わらず日本における知名度は芳しくないが、彼らが2020年のEurovisionにロシア代表として参加して以来ほんのすこーしファンも散見されるようになってきた。しかしながら、未だに「Littlebig ロシア」で検索すると本ブログが上位に来るほど日本語記事も少ない。おい、日本のファンは何をやっているんだ。こそこそしていないで記事を書くんだ。LittleBigを語れ。寂しいじゃんかよ。

 それでも私は彼らを応援する。LittleBig日本上陸の日を信じて。

 さて、今回の記事では楽曲単体を取り上げてみようと思うのだが、以下オタク特有の早口で再生されていると感じていただければ。

「I'M OK」は2019年6月に発表された楽曲で、LittleBigの中でも比較的新しくい作品だ。サムネにデカデカと表示されているのはメインボーカルのイリヤ・プルーシキン。

 ここでひとつ重要なお知らせなのだが、私は大して語学に通じている人間ではないため、歌詞の解釈などに齟齬がある可能性がある。ごめん。勉強します。

 ところがどっこい、LittleBigの魅力は「歌詞解らんでもなんとなく感じるわ」というところである。PVを見れば解る通り、酒カスの曲である。外国語に頭を痛めずともフィーリングでなんとかなるので、脳ミソ空っぽにして聴けるなんとも親切な作り。

 そう、LIttleBigはレイヴバンドだ。ナイトクラブの客たちは多分何も考えずにオールナイトで飛び跳ねている、つまりそういうことだ。これで大体は理解していただけたと思うが、以下は主によるへっぽこ和訳である。正直自信はない。彼らを深く理解したいと思う御仁(絶対無理だけど)は参考にして欲しい。


毎週毎週働いた日には飲みたくなる

毎週金曜日、ちょっとだけ飲んでる

ほんとはやめた方がいいんだけど

親父は少しずつなら見逃してくれるし

だからママは早く酒はやめさせようとしてる

※カート・コバーン、電話が鳴ったら、つまりそういうことさ

ワンショット、もっとくれ

ツーショット、もっとやれ

3、4、5、6、7、8、9杯

テンションぶち上げて一生過ごすわ

一滴も無駄にするなよ

忙しい夜は騒がなきゃ

私が言ってること聞いておいた方がいいわよ

祈ってね、私がクソほど酔えるように

あ、大丈夫大丈夫。酔ってないです。

アル中じゃないです。ほんと。


バーで歩いていると

みんな私に注目している

酔ってきたわ

もしあなたがツイートをもらわなかったら

このショットを飲んだ方がいいわよ

びしょ濡れになりましょ

一晩中飲みましょ

死ぬまで


あ、大丈夫大丈夫。酔ってないです。

アル中じゃないです。ほんと。


※カート・コバーン…アメリカのロックバンド「ニルヴァーナ」のボーカル。ショットガンで頭を撃ち抜かれて殺害された。この場合、ショットガンとショット=強い酒を一気に飲むアレにかけていると思われる。

Hotline bling, That could only mean one thing…電話が鳴ったら、つまりそういうことさ。夜のお誘いのスラング。


 ロシア人は酒飲みだというイメージがあるが、実はそれは昔のイメージで、現在の飲酒率は日本よりも大して多くない。エリツィン大統領が酒で騒動を起こした様子がワイドショーで取り上げられて、そのイメージが定着したらしい。

 これはロシア人の知人から聞いた話だが、ロシアの現行法では公園や公道など、屋外や公共施設での飲酒は全て禁止されているらしい。また、夜間の酒類販売にも厳しい制限があり、「若者がバーで一晩中飲んで泥酔したり暴れたりする」という光景はほぼ見られなくなったという。

 それでも、ウォッカなどロシア生まれの強い酒は今でも根強く愛されている。ソ連時代、不自由さへの不満からウォッカ中毒に陥る人が続出したらしい。それだけ酒というのは人々を虜にするということだろう。皮肉大好きなLittleBigはこの曲を以てして、酒類規制がされてもなおロシア人の根底に張り付いている酒好きの本能を表したのだろうか。


ちなみに主はウォッカは飲めない。甘い酒しか飲めない。

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