蒼井優さんになりたかった

 はい。タイトルの通り。私は蒼井優さんになりたかった。それか、唐田えりかさん。
 化粧っ気のないつるんとしたすっぴんに、これまた化粧っ気のないナチュラルな黒髪ロング。スラッと伸びた白い手足。正しく、永遠の少女って感じ!

 彼女たちのような無垢な少女系の美人を目指して、髪も染めず化粧もせず、せっせと天然素材のロングワンピースとヒールのない靴を買い漁ってきた私。

 それが、何を思ったか、久しぶりに一人で自撮りしてふと気がついた。
 カサカサしていて色むらも毛穴もある、鼻根も低くて前歯の大きい、つまり別に美しくもなんともない顔。微妙に毛先の方が傷んで茶色くパサパサしている、シルエットものっぺりした髪。上半身はともかく、どっしりむっちりオカン型の脚。さらに悪いことに、蒼井優さんぶってゆったりしたシルエットの天然素材のワンピースに、厚手の靴下なんか合わせてしまったものだから、もう見た目は完全に“中学生オバサン“って感じ…。

 こんなビジュアルなのに、自分は蒼井優と思い込んでるものだから、自信満々に無邪気かつ天真爛漫に振る舞ってたのか…。
「い…イタい、イタすぎる…」自分のイタさに悶え苦しむと共に、痛感した。
あぁ、私は、自分のことを、何も手入れしなくてもそこそこの美人だと勘違いしてたんだな……。

 とりあえず、ポインテッドトゥでヒールもちゃんとある、編み上げのブーティを買った。

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