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【ゲーム感想/仄かにネタバレあり】Your letter has been rejected.


Your letter has been rejected.

内容は検閲官となって国を跨ぐ手紙を検閲し
国にとって望まれない(秘匿したい情報が書かれている)手紙と
そうでない手紙を判別するゲームだ。

幾枚も目にする手紙には人々の夢や愛、何気ない日常生活が綴られている。
だがその中にもどこか仄かに不穏な争いの匂いが散りばめられている。そしてその匂いは日付が進むたびに強くなっていく。

隣国の友人への何気ない手紙。
離れて暮らす父母へ近況を報せる手紙。
愛を伝える手紙。
夢を語る手紙。
それらは純粋な想いで綴られているが、国にとって望ましくない情報が書かれているとき、「私」はそれを握りつぶさねばならない。
やがて最初は何の工作もなかった手紙たちだが、後半になると巧妙に工作された手紙も出てくる。
それをライターを使って探し出し、「私」は握りつぶす。
その先に戦争の香りがすることを知っていながら、仕事を全うする。
誰かへの想いを、握りつぶす。

手紙を書くとき、その先には人がいる。
誰かに何かを伝えたいと思うから手紙は書かれる。
そしてそのお互いに生活がある。
苦しかったり、楽しかったり、切なかったり、哀しかったり、嬉しかったり、怖かったり、救われたかったり、・・・
様々な感情で書かれた手紙を「私」は見続ける。
検閲官となった「私」はそれを目にしながら最終的にある決断をする。

それは、一つの国を終わらせてしまうかもしれない決断だ。
裏切り者だと罵られてしまうかもしれない決断だ。
でも、それでも最後がこういう終わり方でよかったと思う。

今、この時代にいるからこそ胸に滲みるゲームだと思う。


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