見出し画像

自己紹介とか

初めての記事です。まずは自己紹介を。
茨城県の八千代町というところで、ニホンナシを栽培している谷中梨園です。記事を書いているのは、谷中渓(やなか けい)という人間です。生物的にも、精神的にも男性です。
祖父母の営む梨園を無くしたくない、という気持ちから親元(祖父元?)就農。副業しながら、今3年目。80aほどの圃場で、幸水・豊水・あきづき・かおり・にっこりなどの品種を栽培しています。日々勉強中です。

何となくブログ的なものが欲しいと思い続けていたのですが、なかなか実現できず。でもやっぱりアーカイブ的に自分の考えを残したいなと思い、noteを書いてみることにしました。いつまで続くかわかりませんが、「月1回記事を書く」をまずは目標にしてみたいと思います。


いま学んでいることのひとつ

一個目の記事って何を書けばいいのでしょう。あんまりネタもないので、なるべく小出しにしたいような気もする。とりあえず今回は、いま学んでいることとかについて書いてみる。

今年の3月から、岐阜県白川町(白川郷ではない)というところで、「堆肥の学校」という講座に参加し、土、そして堆肥のことについて学んでいます。この講座は、五段農園を主宰する高谷裕一郎さんという方が開いている。土とは?堆肥とは?というところから、堆肥の仕込み方、レシピや管理方法、活用方法までを体系的に学ぶことができる。

さて、そもそもなぜこの講座を受けようと思ったのか。なぜ、わざわざ車で片道6時間もかけてなぜ岐阜に通うのか。実際のところ片道6時間はちょっとキツい。
きっかけの一つは、「小農ラジオ」というpodcast番組を聞いたこと。就農間もないころに、たまたま見つけて何となく聞きはじめ、いつの間にかヘビーリスナーに。当時は、自然栽培とか有機栽培のようなものをなぜか警戒していたので、有機農業vs慣行農業のような対立がなく、比較的フラットな論調の番組だったので、すんなり聞くことができた。

聞いているうちに、どうにも堆肥のことが気になってくる。農家から見て、肥料という利用価値がある、というのはもちろん魅力の一つ。だが、それ以上に、生ごみやおから、ビールカスなど、本来捨ててしまうようなものが、有用な堆肥になるということが、たいへん興味深く感じたのです。なんだ堆肥!面白そうじゃん!
いま思えば、別にそういうものが全て捨てられてたり、完全に無駄になっていたりするわけではないのですが、「俺はすごいことに気がついてしまった!」的な小学生の無責任な思いつきのようなワクワク感が多少あったのは確かです。これはちょっと可能性あるかも、みたいなちょっと下衆な考えもあったかもしれない。

さて、そんなこんなで堆肥の学校を受講することを決意。土とはなんぞや?というようなキホンのキから、踏み込み温床などの伝統的な技術、音楽フェスやリゾートホテルの生ごみ堆肥化などなど・・・。土と堆肥に関わる様々な知識・技術と、活用事例・方法を、現在進行形で学んでいます。

学んだことを実践してみる

講座では一通り堆肥化の過程を体験する。仕込みから、切り返し、水分調整。でも、何でもそうだけど、やはり自分で一からやってみないと身につかない。ということで、実際に堆肥を作ってみようと思ったのです。と、思ったまではいいが、面倒くさがりな性分で、なかなか一歩が踏み出せない。堆肥舎もないし、資材もない。どうしよう。
そんな折、たまたま地元で開催される音楽フェスの方から「生ごみの堆肥化をやってみないか?」とお誘いが。ちょうど「森・道・市場2023」の生ごみコンポスト大作戦にスタッフで参加させていただいたあとで、私のキラキラした風のSNS投稿を見た関係者の方が声をかけてくださったのでした。
これは渡りに船!と思うと同時に、やべえ逃げられんなと思ったり。結局、二つ返事で承諾。自分のケツを自分で叩いて、八千代町で行われる「やちおん」という音楽フェスの会場で、30店舗ほどの飲食店から出る生ごみを回収するブースを出すことになりました。

炊き上げに失敗したお米。そのままだと腐りやすいので、なるべく水分を切っておく。


当日は、各飲食店を定期的に回って、生ごみが出ていないか声かけ。正直あんまり出ないんじゃないかと思っていたけど、仕込みに失敗したものや、余ってしまった食材が結構でる。知り合いの店は「うちは絶対出ないね」と店を回るたびに言っていたが、結局たんまり余ってしまったご飯を引き取った。
当然、生ごみなんか出ない方が良いのだけれど、客数を読みにくい1日イベントだと、店によっては食材が余る。なかなか難しいところである。
逆に、来場者の食べ残しはほとんどなかった。これは森道でも同じ様相だったが、生ごみ回収ブース自体が認知されていないか、そもそもフェスのご飯が美味いので食べ残さないのかもしれない。後者であると思いたい。いやきっとそうだ。
当日は、埼玉から「堆肥の学校」の兄弟子も応援に駆けつけてくれて、梨の収穫繁忙期直後のへろへろ人間を激励してくれた。地元のパワフルな同級生も手伝ってくれた。ありがとうございます、兄貴と同級生。
集めた生ごみは、床材(とこざい)という資材と混ぜておく。床材は、軽く発酵させた「堆肥のもと」のようなもので、水分を吸収し、生ごみが腐ることを防ぐ。生ごみ特有の嫌な臭いもほとんどしない。

音楽フェス「やちおん」の生ごみ堆肥。やむなく捨てられるはずだったチュロス。

床材によって腐らずに保管された生ごみは、あらためて米糠などを追加。水分調整して仕込みを行う。保管してる段階からちょっと発酵が進んでいて、50度近い温度になっていたりする。
9月18日に仕込んで、10月22日現在、発酵は続いている。あと1〜2ヶ月ほどで完成する予定である。上の写真は仕込んですぐの写真。下は仕込んで2週間後くらいの写真。仕込んで1ヶ月間くらいは、醤油とか味噌みたいな香りがしている。

仕込んで2週間くらいの写真。糸状菌と呼ばれる微生物の働きで、塊がたくさんできている。
生ごみが固まっているところ、空気が入りやすいところが特にかたまっている。

生ごみの堆肥化、実は自治体レベルや農家、民間企業でもやっているところが結構ある。「堆肥の学校」の一環で訪れた鳥羽リサイクルパークでは、家庭から出る生ごみを専用のボックスに貯めて、定期的に回収し生ごみ堆肥を作っている。工具入れみたいなボックスに床材が入っていて、3ヶ月分くらいは貯めておける。作った堆肥は地元の農家が使うらしい。

音楽フェスで生ごみの堆肥化をやっているのは「京都音楽博覧会」や「森、道、市場」とか。「やちおん」は地域密着の小〜中規模音楽フェスの中ではパイオニアかもしれない。違かったらマジごめん。



音楽フェスは、限られた日程で開催されるという性格上、出店する飲食店でのあまり食材が出やすい。規模や開催日数によっては、来場者の食べ残しも少なからず出る。出た生ごみは燃やせるごみとして処理するのが一般的だが、言わずもがな、水分の多い生ごみは焼却の負担になる。石油を足して燃やしてたりするらしい。一方で、ちょこっと手間をかければ、有用な資源=堆肥にすることができる。

堆肥化は、比較的小さい規模でもできるのが良いところだと思う。アパートの駐車場で生ごみ堆肥を作る人もいる。ポイントを抑えれば、ある程度においや虫は抑えられるし、堆肥舎がなくてもできる。特に生ごみは、ちっちゃいフェスやイベントでも、小さい我が家の台所からも毎日出る。「生ごみ=捨てるもの」ではなく「生ごみ=資源」という捉え方、実は結構大事な気がするのです(エッヘン)。

終わりに?

何だかとりとめのない文章になってしまった。文章書くの難しいですね。色々頑張ります。
結局のところ、堆肥の技術を使って地域と繋がることができるのが面白いな、と思っている。自分でもバンドをやったりするので、音楽フェスの取り組みに興味がある。その日、その時だけ楽しんで終わりの音楽フェスより、ごみのことも考えて、来年もその先も楽しめるようなフェスが増えたら良いなとか思ったり。クラインガルテンとか、週末農園みたいなやつとも相性いいと思うのです。
知らないことも多いので、あんまり無責任なことは言えないけど、とりあえず書いてしまったので仕方がない。ということで、今回はこの辺で勘弁してやることにする。恐れずに公開することが大切だ・・・!ひえーッ

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?