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#23年のポップカルチャー23選 23位~11位

労力の割に反応が薄いでおなじみのポップカルチャー23選ですが、今年もひとり会議(©みうらじゅん)は盛り上がりました。後半ベスト10は明日(大晦日)にアップします。

第23位 「祝・日比谷野音100周年 スチャダラ2090」メンバー生実況 5月15日 (ニコニコ生放送)

今年も変わらず、好きなグループ第一位はスチャダラパーでした。本日12月9日(土)には年末恒例のリキッドルーム、今年はSTUTSとのツーマンとのことで盛り上がりそうです。行かれるみなさん楽しんでください。僕はといえば、明日の青島太平洋マラソン(アオタイ)出場のため前日入りで現在宮崎にいます。スチャダラパーのスケジュールが発表される前に、アオタイにエントリーしなくちゃならないので、どうしてもライブに行けなくなってしまいました。ほぼ毎年日程が被るので、来年はアオタイは出走しないで、リキッドルームに行こうと思います。

4月に行われた「祝・日比谷野音100周年スチャダラ2090」へも残念ながら行けなかったのですが、そのライブを見ながらメンバーが余談を展開する生実況がニコニコ生放送で配信されました。ニコ生配信ははじめてでしたが、見てた人が「PEANUTS RECORDSの人見てる?」とかコメント書き込んでくれたりしてなかなか楽しかった。スチャダラパーのライブはいつも最高だし、改修まえの野音で観たかったよな。来年はたくさんライブ見れますように。

第22位 ロボ宙 LIVE 8月4日 at NAVARO

去年もVIDEOTAPEMUSICとのツーマンを選出したので、順位は低めにしましたが、NAVAROでのライブ、ロボ宙にしかできない、あたたかくピースフルな雰囲気でみんな笑顔になり今年も最高でした。地元勢のライブやDJも凄くよくてグッときたし、ライブ前に店に寄ってくれ一緒にレコードを聴いたりしたのも楽しかった。是非来年以降も毎年恒例でお願いします。

第21位 D.P. -脱走兵追跡管- (NETFLIX)

おととしシーズン1を選出したので、こちらも順位は低めですが、シーズン2で、「ベター・コール・ソウル」や「ストレンジャー・シングス」のように、新しいシーズンが公開されたら、ほかのドラマを後回しにしてでも、一気見するフェイバリット・ドラマの仲間入りをしました。

韓国の軍隊内いじめを苦に脱走する兵士を追跡するD.P.という部署を舞台にした、アン・ジュノとハン・ホヨルのバディもの。主人公二人の苦労や活躍はもちろん、上司それぞれの立場と苦悩や、新たな悪役の登場など見所満載。シリアスで息苦しいシーンも多いけど、派手なアクショーンシーンの増加もあり、エンタメとしての完成度はますます高まっていました。NETFLIXでオモロいのない?と、尋ねられたらいつもこのドラマを勧めています。

第20位 PRIMAL SCREAM / REVERBERATIONS (TRAVELLING IN TIME)

入手困難なファーストとセカンドシングルの音源と超初期BBCセッションを収録した、幻のファーストアルバムと呼べるコンピレーション。SONIC FLOWER GROOVEが洗練されたプロデュースでつくられている、と感じるくらい、素朴なメロディーとキラキラしすぎるギターサウンドが満載。まさに原石の輝きと言える小品が並ぶ、愛らしい作品集です。オリジナルアルバムではないので、この順位にしましたが、自分がインディーポップに求める要素全てが詰め込んであり、今年一番くらい聴いたし、車の中で聴いていて何度も泣きそうになりました。

プライマルのいろいろな発掘音源楽しんるけど、前作のCHAOSMOSISからもう7年も経つので、来年あたり新作もリリースしてほしいところ。

第19位 村上ショージ芸歴45周年ライブ ~細木先生!75歳で売れるんですか?僕~ 2月25日 at よしもと福岡 大和証券/CONNECT 劇場

45周年のおめでたいライブ、しかもゲストは地元のスター華丸大吉にも関わらず、客の入りは半分くらいで、登場して一言目が「ごめんなさいね、もうやりませんから」でまず大爆笑。華大とのトークコーナーが多く、ネタ自体が少なかったのは残念でしたが、ネタはびっくりするくらい面白く大満足でした。でも45周年なのに一度も「ドゥーン!」はやりませんでした(笑)

「やすとものいたって真剣です」に「劇場合間メシ」という後輩芸人が先輩を誘いお昼ご飯を食べながら語る企画があり、ギャロップ林が村上ショージを誘いました。林はよくショージにご飯に連れていってもらうけど、一度もお笑いの話しをしたことがなく、この機会にいろいろ聞いてみたいと。村上ショージのネタにかける思いが伝わる貴重なシーン満載で、あの舞台でのネタを思い出しちょっと胸が熱くなりました。ABC公式がその場面をyoutubeにアップしていますので、興味があれば見てください。

第18位 GIRL RAY / PRESTIGE

ロンドンのガールズ3ピースバンドGIRL RAYのサードアルバム。売れっ子プロデューサーBen H Allenの元、80'Sディスコを取り入れた意欲作。例えばKYLIEのようなイケイケのダンスポップにならず、芯がインディーポップなところが魅力的。よく言えば統一感があり、悪く言えば単調ではあるのですが、でもそこがまた良く、アルバムを通すとトリップ感が生まれ繰り返し聴きました。ジャングリーなファースト、インディーR&Bなセカンド、そして今作と地に足のついたなだらかな成長ぶりが好印象で、応援したくなるバンドです。

第16位 PLAYGROUND NIKE SELECTION 1995-2021

代々木公園に18年にオープンしたスニーカーショップPLAYGROUNDによる、これまでに販売したNIKEのスニーカーを100足紹介した自主制作本。この本のイントロダクションに書いてあるように「時代性やトレンドに囚われず、機能性、独自性、普遍的なデザイン性」から選ばれたのは、スニダンやメルカリでお金を積めば買える、みんなが欲しくてインスタ映えするスニーカーとは一線を画す、セレクトした人の愛情が伝わるものばかり。スニーカーRARE GROOVEと呼べそうな美しい画像を眺めるだけでも楽しいし、田舎のスポーツ店やワゴンセールで探しまわっていた30年前を思い出しグっとくるものがありました。スニーカーバブルの崩壊した2023年に出るべくして出た一冊ではないでしょうか。

いまはついついDiscogsやヤフオクと照らし合わせてレコードの価格をつけちゃうことも多いけれど、オープンした20年前はPEANUTS RECORDSももっと独自のセレクトだったよな、とこの本を読んでちょっと反省した次第です。

第15位 SUMMER EYE / 大吉

シャムキャッツが20年に解散していたのも知らなかったくらいで、全然熱心なリスナーではないけれど、たまたまSNSに流れてきたのが気になった聴いたSUMMER EYEのファーストアルバム。本名の「夏目」からユニット名をつけるくらい肩の力の抜けたグッドメロディー、ワールドミュージックからの影響伺える緻密なアレンジセンス、ダブやバレアリックを品よく取り入れたサウンドスケープにより耳触りが新しいポップソングが並びます。古い例えで恐縮ですが、90年代に大好きだったORANGE CAKE MIXやHIS NAME ALIVEのなどの90'S US宅録インディーポップの21世紀アップデート版といった感じで愛聴しました。

第14位 アフターパーティー (Apple TV+)

Apple TV+におすすめされて何の気なしに見始めたアメリカのコメディー殺人ミステリー「アフターパーティー」。高校の同窓会の二次会で、同窓生であり、会場となった豪邸の持ち主でもある人気シンガーのエグゼビアの遺体が発見されるところから物語はスタート。同窓生でもあり容疑者のひとりでもあるアニクとダナー捜査官が探偵役になり、順番に同窓生を事情聴取していきます。一話ごとに事情聴取される容疑者それぞれの視点で語られることにより、謎が明かされてはまた増えていき、最終話で全ての伏線が回収される、というミステリーとしてはある意味王道の流れ。でも、面白いのは一話ごとに映像スタイルが違い、ミュージカル、アニメ、ウェス・アンダーソン風(シーズン2エピソード4)など次々と変わっていくところ。コメディー要素も宮藤官九郎ドラマ好きも気に入りそうなノリとテンポがよいもので飽きません。自分はそんなに詳しくないですが、サンプリングや小ネタも多そうで映画好きはもっと楽しめるのではないでしょうか。

本国では人気も高く、シーズン2は出演者もより豪華になっていますが、パターンとしてはほぼ同じ。よい意味でのマンネリ化が期待でき、まだまだこれから続きそうな予感です。Xでパブサしても自分のポストが上位にくるくらいでイマイチ話題になっていませんが、見て損はないおすすめのドラマです。

第13位 ALBERT HAMMOND Jr. / MELODIES ON HIATUS

言わずとしれたTHE STROKESのギタリストALBERT HAMMOND Jr. はなかなかの働き者でソロ作ももう5作目。本家以上に肩の力の抜けた極上鼻歌メロディーがまずツボ過ぎる。今作収録のDEAD AIRあたりに顕著なんだけど、メロディーとビートへの言葉の乗せ方、ラップでいうところの所謂FLOW、が聴いていてとても気持ちよく、繰り返しプレイしました。いままで以上にチルな反復ビートも多用されているのでヒップホップリスナーもハマるんじゃないかな。あとFAST KITTENはカバーかと思うくらいGUIDED BY VOICES節がさく裂していて、パイセンへのリスペクトっぷりを微笑ましく感じました。

第12位 テトリス (Apple TV+)

後の落ちゲーに多大な影響を与え、プレイしたことがない人のほうが少ないくらいの超有名パズルゲーム「テトリス」の権利問題に焦点をあてたApple TV+オリジナルの映画。アレクセイ・パジトノフという青年がソ連の政府機関で働くかたわら、趣味でテトリスを開発。そのゲームの面白さの噂はあっという間に広がり、世界中の企業が権利獲得に乗り出します。主人公のアメリカ人で日本向けのソフトメーカーBPSを経営しているヘンク・ロジャースも獲得に動くが、冷戦時代のソ連では権利関係もまだはっきりしなかったため、世界を飛び回り四苦八苦するというストーリー。

ソ連の歴史的、政治的背景が物語に大きく影響を与え(秘密結社KGBが暗躍したり)そこが最大の見どころだけれど、任天堂はじめ実在のゲーム会社やゲームハード(ゲームボーイが重要な役割を!)など80年代に小中学生だった自分には懐かしい映像も多く嬉しかった。実際の話しを元にしているとはいえ、アクションシーンやミステリー要素を上手く取り入れエンタメとしての完成度を高めていて飽きずに楽しめました。そして最後の最後で現在の様子をほんのすこしだけ見せた登場人物の姿は、事実は映画よりも奇なり、でなかなかグっとくるものがありました。

第11位 FRANK POPP ENSEMBLE / SHIFTING

01年リリースのファーストアルバムRIDE ON!のLPやその収録曲で往年のクラブヒットYOU'VE BEEN GONE TOO LONGの12インチなんかは当店でも根強い人気ですが、まさか18年ぶりのサードアルバムがこの23年に聴けるとは。音のほうも当時と変わらぬノーザンソウル meets ブレイクビーツなスタイルで間違いなし。これまたクラブヒットしそうなディスコナンバーOUT OF TOWN、同郷ドイツのSSW、JEPER MUNKをボーカルに迎えたアッパーチューンTORN UP、BROADCASTあたりを彷彿とさせるドリーミーサイケDRIFTINGなど粒揃い。YouTubeの登録者はまさかの500人程度で、まわりも誰も話題にしていませんが、私から23年過小評価盤大賞を差し上げます。そして並行世界ではすでにMARK RONSONくらいバカ売れしている模様。


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