結婚式に音楽の花を咲かせる音響プロデューサー、松村潤乃輔さん
オーダーメイドウェディングをご提案する『Peanne∞Wedding』です。
ホームページやSNSだけでは伝えきれない想いを届けたい! とnoteをスタートさせました。これから結婚式をしたいと考えている方に、少しでも僕たちの想いを感じてもらえたら……と、一緒に『Peanne∞Wedding』を盛り上げてくれている仲間を紹介しています。
第3回の対談相手は、結婚式には欠かせない「音楽」を担当する音響プロデューサーの松村潤乃輔(まつむらじゅんのすけ)さん。結婚式準備の中でも一番と言っていいほど時間がかかるのが当日使う「音楽」の選曲。どうやって決めたらいいの? という素朴な疑問や、あまり知られていない音響のお仕事について伺いました。(聞き手:岩泉ピアン)
松村 潤乃輔(音響プロデューサー)
熊本県出身。日本工学院専門学校放送制作芸術科卒。
獅子座のB型の音響のキャリアは13年。ブライダル音響の他にも、ものまねショー音響、イベント制作などを手がけている。
おまかせでも全然OK。もっと「音響」に頼ってください!
–松村さんとは5〜6年前の交流会か何かで出会って、すぐお仕事を始めましたよね。
そうでしたね。確か「男性のプランナーさん、珍しいですね」なんて話をしているうちに盛り上がって、半年後には同じ現場でお仕事していましたから(笑)。
–気がついたら意気投合しちゃってね。ちょうど、その頃は松村さんも「法人化しようかなー」と考えていた時期だったので僕との境遇も近くて、色々とお話したのを覚えています。松村さんはどのようにして音響プロデューサーさんになったのですか?
もともと演奏するプレイヤーだったんですよ。
ずっと音楽も好きだったので、プレイヤーをしながら小さいですけど音響機材をそろえたり、アルバイト感覚で音響のお仕事を手伝ったりしていました。その中で、結婚式の音響を担当する機会がありまして。
結婚式の会場って、新郎新婦さんや参列されている方々から幸せをお裾分けしてもらえる現場“しか”ないんですよね。どの結婚式をお手伝いしていても、自分が出した音楽によって場の空気が幸せに包まれて、仕事をしているのに、仕事じゃないみたいな(笑)。毎回毎回、素敵な気持ちになれるこの仕事に感動して「これは本気で頑張ろう」と決意し、今に至ります。
–結婚式のお仕事ができるって、本当に幸せなことですよね(しみじみ)。ちなみに「音響」って具体的にどんなお仕事なんでしょうか?
音響は大きく分けると2種類あります。一般的にPAさんと呼ばれているライブやイベントなどマイクとスピーカーを使って音を『拡張伝達する仕事』と、テレビやラジオやレコーディングなど『録音や収録を担当する仕事』で音声さん・レコーディングエンジニアと呼ばれています。結婚式の場合は、前者が主なお仕事内容ですが、当日行って、音を出して終わりではありません。
(音楽を決める時には、上記のように管理表を作成するそうです)
参列しても気が付かない人がほとんどかもしれませんが、結婚式ってあまり無音の時間がなくて、ず〜〜〜〜っと音楽がかかっているんですよね。新郎新婦入場から退場まで少なくとも8〜10曲は選曲する必要があります。この選曲のお手伝いをしたり、楽曲の利用申請(※1)を行ったり、当日生演奏する場合はマイク設営や音量調整をしたり、実は色々とお仕事があるんです。選ぶ曲で、結婚式の空気感も変わりますし。
※1:結婚式のBGMやプロフィールビデオで利用するアーティストの楽曲は、許諾申請が必要です。
参考)https://www.jasrac.or.jp/info/bridal/index.html
–結婚式の選曲は、「新郎新婦さん悩みの種TOP5」には入ってくるのではないでしょうか? なかなかギリギリまで決められないご夫婦も多いですよね。
音楽が大好きで「絶対この曲を流します」ってご夫婦より、「イメージがつかず決められません……」の方が多めですね。家で招待状を書いたり、ウェルカムボートを作ったり、引き出物を考えたり、衣装を決めたり、これらって「やれば終わる」ことなんですけど、選曲って「これでいいのかな?」と一度決めても考え直してしまうので、なかなか決まらないことが多いんです。
–決められない時は、どうするのがいいのでしょうか?
僕にどんどん、頼ってください! 「この2曲は使いたいけど、他は松村さんにお任せで!」って方もいますから。
音楽の趣味が合う、音楽知識も豊富なプランナーさんならその方に相談するのもありですが、「歓談の時間に友達にDJを頼みたいけど、ターンテーブルはありますか?」とか「ジャズミュージシャンの友達が参列するんですが、選曲センスが問われそうで……」とか「昔コピーバンドをやっていて、その音源を使う際には申請って必要ですか?」などちょっとマニアックな相談もウェルカム。しっかりご提案させていただきますよ!
生演奏の心地良さは、体験した人にしかわからない
–松村さんはプレイヤーとしての経験もあるから、心強いですよね! 僕もすごく頼りにしてます。
ありがとうございます。ピアンさんとお仕事していると「頼りにされているな〜」というのをひしひしと感じるんです。僕自身、「あれやって」「これやって」って管理されるのが苦手で。でもピアンさんと一緒に仕事していると、しっかり任せてもらえるのでやる気が出ます。
–こちらこそですよ! Peanne∞Weddingには『和奏婚』という和楽器の生演奏がセットになった結婚式もプロデュースしているので、松村さんのお力なしでは実現できないことばかりなんです。細かいところにまで気を配っていただけているので、安心して頼ってます。
プロの演奏、まして和楽器の生演奏なんて日常生活の中ではほとんど聞くことがないですよね。その機会が一生の中で一度でも体験できるって、参列している方はもちろん、新郎新婦のお二人にとっても貴重な時間になります。あと生演奏はCDからの音とは違って、音のレンジ(幅)が広くて、心地よい。これは聞いた人にしか体験できないものだと思います。
–嬉しいな〜。音のプロにそういってもらえると僕も励みになります。逆に、大変なことってありますか?
大変なことは「場所」ですね。ライブ会場で結婚式ができるならいいのですが……(笑)、そもそも演奏に設計されていない会場を使うことが多いので、壁の反響度合い、天井の高さ、どの席からでも良い音が聞こえるような工夫、あとマイクケーブルに足が引っかからないような、かつきれいに見える配線配置などなど場所ごとに気をつけることが変わってきます。本番は一度きりなので、演者さんと同じくらい音響も緊張していますよ!
–音楽があって当たり前、ちゃんと聞こえて当たり前って思っちゃいますけど、その「当たり前」を続けていくお仕事って注目されない分、プレッシャーがありますよね。
そうですね。でも仕事として考えるとそれはそれはやりがいのある、ワクワクできるお仕事です! ここで結婚式の音響愛を語り出したら止まらなくなりそうなので、「ちょっと音響の仕事に興味があるな〜」と思ってくれた人は、僕のブログ(http://waku-works-tokyo.blog/)を読んでいただけたらと思います!
–ありがとうございます(笑)。今度ぜひ「音響愛」対談をやりましょう!
音楽がそっと寄り添う結婚式を
–今後、『Peanne∞Wedding』と一緒にやってみたいと思っていることはありますか?
音楽を軸にした結婚式をもっと一緒にやっていきたいですね。披露宴ってどうしても「料理」に重点が置かれがちじゃないですか。もちろん「食」にこだわりたいお二人ならその方向性で良いと思います。けれど、一番こだわりたいのは「音」なのに、こだわるのが料理だけという結婚式の方が大半なので、もっと自由に、もっと新郎新婦自身を実現できる結婚式ができないかな〜と思っています。
–結婚式自体、飲食業界がベースに発展しているので仕方がないことかもしれませんが、式場選びも「料理」で選んだり、とりあえず「試食会」に参加しようってご夫婦も多いですからね。
今って、いろんな価値観が出てきていると思うんです。今までの結婚式の形に囚われずに柔軟に対応できるのがオーダーメイドウェディングであり、『Peanne∞Wedding』ですから! お世話になった人に祝福してもらうという結婚式の目的に沿っていれば、どんな形でもいい。新郎新婦が生演奏でお出迎えしてもいいし、お芝居をしてもいい、ミュージカルでもダンスでも、映画でもお二人が考える「おもてなし」ができるなら、その方がお二人も参列される方も楽しめるはずです。
その中でも僕ができることは「音楽」なので、音楽と『Peanne∞Wedding』を組み合わせて、一緒に新しいおもてなしの形を作っていきたいと思っていますよ。
–嬉しいなぁ。もうどんどん一緒にやっていきましょう! 最後に、松村さんの今後の目標を教えてください。
すごく真面目になっちゃいますが、仲間を増やしたいです。僕が今まで培ってきたノウハウは余すことなく伝えていきたいし、一人より二人、二人より三人って感じで、同じベクトルで頑張れる音響スタッフを育てたい。
結婚式は、ハレの日であり、旅立ちの日でもあります。全部のシーンに音楽がそっと寄り添っているので、どこでどの曲が使われたとか全部を覚えて欲しいなんて思っていないけど、結婚式が無事終わって参列者の方から「すごい楽しかった」って感想をもらえると一番嬉しいし、「なんか聞いたことあるなぁ……あっ結婚式の時の曲だ!」とふとした時に思い出してもらえたり、一生懸命選んだ曲が二人にとってかけがえのない思い出の曲になったり、音楽と共に思い出が残ってくれたら、僕もこの仕事をやっていて良かったなぁと心から思えます。そんな素敵な思いを僕一人だけで抱えているのはもったいないので、どんどん仲間を増やしていけるよう頑張りたいですね。
–素敵ですっ! 結婚式って「五感」が刺激される独特な空間ですし、そこに音楽はなくてはならない存在だと改めて感じました。これからもどうぞよろしくお願いします!
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どんな結婚式のカタチも私たちにお任せください。音楽にこだわった結婚式をしてみたい、生演奏をお願いしたい、結婚式にDJを呼んでみたい、などまずはその想いをお聞かせください。
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文:つるたちかこ(ライター)
写真:Peanne∞Wedding/松村潤乃輔
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