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反響の声、ぞくぞく!『美食のサピエンス史』

「パリパリ、サクサク、カリカリの起源はそれだったのか!…うむむでも一理ある…」など、各方面で話題を呼び重版がかかった『美食のサピエンス史』(ジョン・アレン/著、成広あき/翻訳)。
食事のスタイルが問われる昨今、「食べれれば、それでいいのか、否か?」という疑問を私たちに投げかけ、「“食べる”にはさまざまな人類史が組み込まれている」ことを気づかせてくれます。今回は、読者の方より寄せられたレビューや、SNSやネットに投稿された感想のリンクをまとめてご紹介します!

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「いい意味で期待を裏切られました」
表紙と題名から、美味しいものが沢山出てくる本かな?と思って読み始めました。が、いい意味で期待を裏切られました。

ページこそ331ページですが、中身は「人間と食」に関する知識が濃く、ぎっしりつまっている、学術本に近い本でした。
中学校の図書室に置くには、少し難しいかな?と思われる内容ですが、大人が読むなら面白く、ためになる内容が盛りだくさんです。

一番面白いと感じたところは、人はなぜ食べ過ぎてしまうのか?というところです。脳科学や人類の進化の過程から説明されて、興味深かったです。食べ過ぎないようにするのは、なかなか難しいこともよくわかりました…。残念ながら(笑)(図書館関係者)
「食べることを冷静に見つめるように」
ヒトが食べること、を様々な角度から考察したこの本は、自分の食行動への解説にもなっていて興味深い。特に、大きくなった脳と、食事内容との関係、肉食との関係や、何を食べたかの食の記憶など、常日頃なんとなく疑問に感じていたことに言及されていて、嬉しい。

例えば、友人とレストランで食事しようなどという時、何を食べるのかなかなか決まらない人がいる。その様子を見る私は内心(悩む割に明日になると忘れている)だろうとツッコミを入れつつ自分もそうであることに気づき、ひとり苦笑することが多い。

サクサクした食べ物が好きな人類にとって、麻薬のようなポテトチップス。脂質と適度な塩分と、サクサク。たまらない!でも私の脳がそれを喜んでいたのか。少しは我慢することを覚えなければならないね、自分。などとこの本と対話しながら読み進み、いつしか、食べることを冷静に見つめるようになっている。(教育関係者)
「誰かに話したくなります」
タイトルとジャケット画像から、これは歴史の本なのか、あるいは美術の本なのか、と一瞬思うが、中を開けてみると意外や意外、「ヒトと食」に関する様々なトピックスがつづられ、しかもそれぞれの章において、きちんと原著論文を引用してあり、学術本と言ってもよいものです。

普段、サクサク、カリカリ、パリパリ、シャキシャキした食べ物を確かに好んで食べているように思いますが、この理由を深く考えたことがありませんでした。それらを解説してあるだけでも、知ったかぶりで、誰かに話したくなります。医食同源と言われますが、この本を読んで、確かにそうだな、と納得しました。おすすめの一冊です。(教育関係者)
「脳の認知システムを通して食の理解を深められる」
“本書で目指すのは、ホモ・サピエンスが、どのような脳の働きによって食べ物を「とらえて」いるか理解することだ” と冒頭で述べられているように、脳の認知システムを通して食の理解を深められる本。

日本を含む先進国では脂肪や糖分たっぷりの食べ物がすぐ手に入るけれど、単にお腹を満たすための食事は減らしたいな。「香り」「食感」など多感覚で味わえる食事をしたいな、と思いました。

誰かと一緒に美味しいものを食べて、「しあわせ」と目を細め合えるような、そんな食経験を積みながら歳を重ねるのが理想です。(レビュアー)

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 ◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆ 目 次 ◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
はじめに
第1章 サクサク、カリカリ、パリパリ、シャキシャキ......etc.
第2章 “超”雑食のサル─ 二足歩行・大きな脳・小さな顔
第3章 感覚をつかさどる脳と食べ物
第4章 食べ過ぎる人と食べない人
第5章 食の記憶
第6章 カテゴリー:良い食べ物、悪い食べ物、食べていいもの、食べてはいけないもの
第7章 食べ物と創造的な旅


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■内容紹介
脳科学に詳しい人類学者が明かす、素朴な疑問の深い裏側。明日から身近な「食」と「ヒト」が違って見えてきます。
日本にルーツを持つ著者。日本人の母を持ち、日本食の話題も満載です。

「サクサクのてんぷらに魅了される感覚の起源は?」
「肥満とダイエット、そのとき脳は?」
「ニホンザル「イモ」の行動と創造性の関係は?」

食にまつわる疑問をトリガーに、脳科学・進化学・人類学を駆使して「食」を語ります。

■著者プロフィール 
ジョン・アレン(John Allen)
人類学者。南カリフォルニア大学のドーンサイフ認知神経科学イメージング研
究所、および同校脳・創造性研究所, インディアナ大学人類学部の研究員。
研究テーマ:ヒトの脳構造と進化。日本、ニュージーランド、パプアニューギ
ニア、パラオで文化人類学のフィールドワーク経験がある。


『美食のサピエンス史』
ジョン・アレン/著 成広あき/翻訳
307ページ 価格 :2,200円+税  ISBN:978-4-7581-1214-7
PEAK booksレーベル(羊土社)

11/27(金)発行の週刊読書人「今週の書評」コーナーに『美食のサピエンス史』が掲載されました。


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