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『人類は感染症とともに生きていく 〜学校では教えてくれないパンデミックとワクチンの現代史』 【編集後記】

こんにちは。PEAK books編集部の編集者Sです。

2020年は世界中が新型コロナウイルスに翻弄された一年でした。12月上旬にイギリス、アメリカでワクチン接種が開始され、2021年こそは日常を取り戻せるのではと希望を感じる一方、感染状況は依然として厳しい局面が続いています。このような厳しい状況下でご尽力いただいている医療者の皆様、医療や社会を支えてくださっているエッセンシャルワーカーの皆様に心より感謝申し上げます。

こんな今だからこそ読んでいただきたい新刊をPEAK booksレーベルから12月18日に発行しました。今回の記事では、本書の内容をご紹介するとともに、編集担当の個人的なつぶやきを少し書かせていただきます。

本書のタイトルは『人類は感染症とともに生きていく~学校では教えてくれないパンデミックとワクチンの現代史』です。

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私は在宅勤務の委託スタッフとして編集業務に関わっております。居住地はアメリカのイリノイ州シカゴ。アメリカ国内の州別感染者数では現在第4位の感染拡大地域です。本書の制作担当になった当初は日米両方のCOVID-19情報に晒されすぎて正直言って疲れておりました。しかし、本書を通して感染症の正しい知識を得ることで「人類は多くの感染症と闘い生き残ってきたのだから、これからもきっと乗り越えていける」とポジティブな気持ちになれました。正しい情報の大切さを身をもって知った貴重な経験でした。


そんな私が勝手に作った、本書のnote限定非公式付録「コロナ禍のアメリカで見つけた小さなポジティブ」をこの場を借りてお届けします。

その1:最初の自宅滞在命令期間中に住宅街の路上で見つけたチョークアート。「顔を上げて笑おう」「ここに立って好きな人にメールを送ろう」というメッセージが心に響きました

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その2:スーパーの入店人数制限のために入り口で列を作って待つ客と、店内のマスク着用義務化を知らせる看板、ポスター。楽しい内容の掲示物ではないのに、書き出しが「AHOY!」と明るくて元気が出ました

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さて、本題の内容紹介です。
本書はCNNのジャーナリストであり公衆衛生の研究者でもある著者が、綿密な取材に基づいて書き下ろした書籍『OUTBREAKS AND EPIDEMICS』(2020年3月刊行)の翻訳本で、COVID-19についても触れられています。近年注目を集めた感染症の解説に加え、“2017年にはペストの大規模アウトブレイクが起こり、感染の疑いのある患者は2,300人を超えた”など諸外国の驚くべき実情が書かれてあり、感染症についての認識が改まります。

著者は終始フェアで冷静な語り口で感染症の歴史とそこから得られる教訓を平易に解説しており、感染症を知るための入門書としてうってつけです。

本書には、感染症流行と文化的・政治的要因の関係やワクチンをとりまく問題など見逃せないテーマも述べられていますので、おうち時間のお供に本書をお選びいただけますと幸いです。


読者レビュー

「不安を煽るのではなく、正しい知識で」
感染症とヒトとの戦いの歴史について、わかりやすく記載されています。
結局ヒトと感染症は切っても切れない関係で、22世紀に向けて、これまで現れていなかった感染症が出没する可能性も、また、既存の感染症がますます拡大しやすくなるのだなと、改めて感じました。
不安を煽るのではなく、正しい知識で、感染症を恐れることの大切さをこの本は、教えてくれます。
コロナ禍のいまだからそこ、今一度感染症に冷静に向き合うのに良い本だと思います。お薦めです。(教育関係者)
「自分の知識に出来て良かった」
感染症と一言では言えない数が世界中にあります。聞いた事ある感染症もあれば初めて聞く感染症もありました。ワクチンがあれば安心とはいかず、ワクチン反対派もいて打たず→感染→感染拡大となっている現実もあるそうです。

病気も常に同じ型ではなく変異を続け、その都度、調査・研究を繰り返す日々。テーマごとに解説してあり、現実にあった症例も沢山書かれているので理解がしやすかったです。
今はネットで調べると色々な情報を知る事ができ、便利な一方で誤った情報も流れている事もあります。本書で感染症を知り、正しい情報を自分の知識に出来て良かったです。(レビュアー)
「読んでおくべき」
事例を積み上げていって説明していくパターンなので、人名が一杯出てくる。途中から誰が誰だか分からなくなるが、そんなことは気にせずに読み進めればいいのかなと思う。テーマは非常にシンプル(タイトルの通り)なので、理解はし易いと思います。COVID-19のパンデミックも、ワクチンが効き出せば収まってくるのでしょうが、またいつか新たな感染症が広まるやも知れません。読んでおくべきでしょう。(レビュアー)

→→ レーベルサイトで「序章」を全文公開中!
WEBで
立ち読みいただけます


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『人類は感染症とともに生きていく 〜学校では教えてくれないパンデミックとワクチンの現代史』
ミーラ・センティリンガム/著 石黒千秋/翻訳


■著者プロフィール

ミーラ・センティリンガム(Meera Senthilingam)
グローバルヘルスと感染症を専門とする公衆衛生の研究者。ジャーナリストで編集者でもある。CNNやBBCといった大手メディア、また、ロンドン・スクール・オブ・ハイジーン・アンド・トロピカル・メディスンやウェルカム・トラストなどの研究機関と協働している。

■目次
序章
第1章 21世紀の感染症
第2章 病気と政治
第3章 古来の病気
第4章 新しい感染症
第5章 カによる支配
第6章 病原体の逆襲
第7章 動物由来の感染症
第8章 なくならない感染症
エピローグ


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