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Peak2Peakのデジタル写真講座:第6回 高山植物の撮影(前半)

風景写真や山岳写真を撮影し作品として完成させていく時に必要な思考やテクニックを、毎回お伝えして行きます。今回のテーマは「高山植物の撮影」です。

<被写界深度と最短撮影距離>

 高山植物の花を始めととする比較的小さな被写体を撮影する時に必要なカメラ側のスペックが、この2つです。まず「被写界深度」はピントが合って見える範囲ですが、絞り値の項で詳しく述べたように、これはレンズの開放F値と関係しています。背景をボカして被写体を浮き立たせる場合、開放F値が明るいレンズほど被写界深度を浅くできるので、背景(と前景)のボケが大きくなって、ピントを合わせた主要被写体(お花など)を背景から分離させることができます。

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また美しいボケはそれだけでも写真を綺麗に見せる要因になります。レンズによって「ボケ味」は違っており、また光源がボケた時にできる「玉ボケ」を味わう写真もあります。

「最短撮影距離」はそのレンズが被写体にどこまで近づけるか(どこまで近い場所にピントが合うか)の値です。レンズそれぞれで決まっていて、その距離より近い場所にはフォーカスが合いません。「最短撮影距離」が短いほど、小さなお花に近づいてより大きく撮影することができるので、高山植物などの撮影の際には、重要なファクターになります。

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