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逆境に寄り添う音楽

 突如、自分ではどうにもならない事が周りで起きてしまい、災難に巻き込まれてしまう。または悩みや不安から、少しずつ自分のリズムを崩してしまい、描いていた理想の自分とかけ離れる事で袋小路に入り込んでしまう。

乗り越えなきゃ、そう、ネガティブなことは考えないように… 。その気持ちはとてもよく分かります。しかし、その選択肢はどうにも未来が明るくありません。

そんなに簡単に乗り越えられるなら、そもそも悩みはしません。また、ある事から目を背けようとすればする程、人間はより強力にそれを意識してしまう生き物なのです。


願わない不幸を前にまず出来ることは… 自分の身を守ること


今の現状、辛いと思う気持ちを素直に見つめ、寄り添い、少しずつ心を癒していくことから始まるのです。

音楽はそんな時に、本当に役立ってくれます。できればあなたの気持ちにピッタリ沿った、親しい友人のような曲がいいと思うのですが、今日は僕からも少しだけ紹介させて頂こうと思います。



高鈴  “リトルダンス”

僕の同郷、京都出身のユニット、高鈴(こうりん)から名曲“リトルダンス”です。日常から零れ落ちる、素朴で、それでいてかけがえのない言葉の数々。その昔ライブでご一緒させて頂いたことがあるのですが、その時もこの曲の持つ特別な強さと優しさに、とても衝撃を受けたことを覚えています。映像的に今はライブ・バージョンしか残っていませんが、亀田誠治プロデュースのシングル・バージョンも本当に素晴らしいので、ぜひチェックしてみてください。



Norah Jones  “Not My Friend”

続いてノラ・ジョーンズ「Help me」これが全てだと思うんです。これが言えるか言えないかが。もちろん誰かに伝えることは大事ですが、自分に言い聞かせることももっと大切です。助けが必要なのだと。宙を舞うようなメロディーと、いつもより少し力無さげに歌うノラの儚い声。不安定な世界観ながら、どこか一緒に寄り添ってくれる優しさに包まれる曲です。



Yo La Tengo  “Season of the Shark”

最後は少しだけ勇気をくれるこの曲で。数あるヨ・ラ・テンゴの名曲の中で、僕が一番大好きな曲です。特に歌詞が本当に素晴らしい。


何かが間違ってしまって
とても深い所へ沈んでしまう
壁に映る影を作る原因だからといって
太陽さえ悪者にしてる
影たちは見かけほど悪いものじゃない
今が鮫の季節
そんなことあり得るのかな
どうか怖がらないで
外が君をどんなに
どんなに怖がらせても
まわりを見てごらん
君はひとりぼっちなんかじゃない
今が鮫の季節


彼らは元々かなりアバンギャルドで親切でない(笑)楽曲が多いのですが、そういう人から漏れる優しさほど心に響くものはないのです。いつも何となく無愛想な人があなたを救ってくれる、そんな偶然も無くはないはずです。



いかがでしたでしょうか。普段は能天気な記事ばかり書いている僕ですが、実はここ5、6年は思いもしない出来事から、今までの人生であり得ない程の困難な日々を過ごしてきました。(内容は… 書き出しても嫌な気分を撒き散らすだけなので省略。)

でも大丈夫、追い出せそうにない痛みや不安も、目を逸らさず、一旦横に置いておく感覚で付き合えば、いつしか必ず和らいでいきます。そして能天気な気分も引き出せるようになっていく。音楽と一緒に過ごすことで、悲しみや自分の本当の本音と向き合い、少しずつ心のダメージを癒していきましょう。乗り越えようとするのは、それからでも遅くはないはずです。


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